悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

殻ノ少女《 FULL VOICE HD SIZE EDITION 》 その5

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 余談

人気のない街並みに、鬱々とした気分を抱えて働きに出る毎日では、これという特筆すべき出来事もありません。

 

強いて言えば、ようやく昨今の新型コロナウイルス感染予防対策として会社を休むように指示があったことぐらいでしょうか。

 

まあゴールデンウィーク中に一週間近く休めたからと言って今のご時世ではどこに外出するわけにもいかないうえ、テレビもゲームも何もかも、新しいものは延期・中止続きのため、必然的に過去の作品に目を向ける時間も多くなるわけで。

 

……さて、愚痴はほどほどにしてそろそろ本題に入らせていただきます。

 

雑感

連続バラバラ殺人事件を解決に導いたあと、玲人はつかの間の休息を得る。

 

玲人はある日、冬子からの誘いを受け美術館の見学に付き合うことになる。

 

ただしその場所は東京都立美術館ではなく、岡山県倉敷にある中原美術館であった。

 

何を思ってこんな場所に連れてこられたのかわからない玲人ではあったが、冬子と共に西洋絵画の特別展示を見学する。

 

しかしそのために終電を逃してしまい、二人は宿で夜を明かすことになる。

 

このとき、玲人は冬子から例の「依頼」の件を切り出される。

 

決して忘れていたわけではない。殺人事件の捜査に奔走していたため、必然的に後回しになっていた。

 

だがその間にも冬子は自らの出自について、自分自身で調べようとしていたという。

 

彼女は自ら戸籍を調べ、自分が朽木家の本当の娘ではなかったことを知ったらしい。

 

東京に戻ったあと、玲人も彼女の戸籍を調べたが、冬子は朽木千鶴の養子であるということが確認されたのみだった。

 

戦後の混乱に紛れて養子に出されたのか、確かなことはわからない。

 

彼女の本当の両親は何者で、どこに消えてしまったのか。

 

唯一思い至る手がかりとして、玲人は東京都立美術館へと訪れる。

以前、冬子や紫の部活動に付き合って見学した絵画「殻ノ少女」の作者を調べるためである。

 

何度見ても、絵画に描かれた女性の顔は冬子に瓜二つに見える。

学芸員であるステラに絵画の作者・間宮心象について尋ねてみても、人嫌いのためにほとんど人前に姿を見せないということしかわからない。

 

玲人が思案を巡らせながら絵画を眺めていたとき、謎の老人が声をかけてくる。

 

老人は言う。なぜこの絵の作者は、こんな歪んだ絵を描いてしまったのだろうか、と。

 

玲人は彼こそが「殻ノ少女」の作者・間宮心象ではないかと思ったが、気づいたときには忽然と姿を消していた。

 

間宮氏の所在を求めて魚住に協力を仰ぎ、現住所まで突き止めたものの、そこに彼の老人の姿はなかった。

 

捜査が行き詰ったまま数日が経ち、暦は4月1日を迎える。

 

その日は冬子たちの通う私立櫻羽女学院で「イースター」の催しが行われることになっていた。

 

先日、玲人も準備に駆り出され、行事に使う固ゆで卵を紫や綴子たちと共に用意したのは記憶に新しい。

 

しかし、「イースター」当日に生徒が卵をうっかり割ってしまう。

 

割れた卵の中身を見て、生徒たちは悲鳴を上げる。

 

玲人は慌ててその場に駆け寄り、床にぶちまけられたそれを目の当たりにした。

 

それは、肉片を粉々になるまですりつぶしたと思われる、バラバラ遺体の一部だった……

 

 

 

吉祥寺界隈で起きていた殺人事件が解決したあと、玲人には一週間ほどの猶予期間があった。

 

その期間中に起きた出来事をすべて書き記すとえらい文量になるためだいぶ端折りながらまとめたが、とうとう新たな事件が動き出してしまう。

 

先刻の事件に続いて、ふたたびバラバラ殺人である。

 

いくら1950年代とはいえ物騒すぎやしないかと戦慄してしまうが、ミステリー作品なら展開の都合上、仕方がないともいえる。

 

ただし、「殻ノ少女」の後半戦にあたるこの事件については、明らかに京極夏彦氏が執筆した「魍魎の匣」の影響を受けまくっているため、この作品を知っていると多少なりとも展開が予想できてしまうという欠点はある。

 

※しかも「殻ノ少女」が発表された2008年当時は、その秋から「魍魎の匣」のアニメ版がTV放送されていた。もしも先にアニメを見てから「殻ノ少女」をプレイしてしまったら、類似点の多さが気になってストーリー展開に集中できないかもしれない。

 

とはいえ、本作が単なるインスパイア系作品にとどまらないのはこれまでの雑感でも述べた通りである。

 

ちなみにこの後半戦の事件からは登場人物がさらに増える。

ついにあのクソ小生意気なインテリ野郎・八木沼了一が登場するのである。

 

彼はカルタグラの事件後に出世を重ね、現在では警視に昇り詰めている。

今回の事件では管理官として警察庁から派遣されてきており、魚住の年下上司として彼らを顎でこき使う役回りである。

 

この5年の間に多少なりとも人間ができたかといえばそんなことがあるはずもなく、人をなめ腐った態度は相変わらず。そんな彼の言動に玲人も怒りを抑える場面が多々描かれるが、それでも八木沼は刑事としては優秀な男である。

 

殻ノ少女」のとあるルートでは、そんないけ好かない彼の悲しい過去について知ることができるため、是非とも全ルートクリアを目指して読破してもらいたい。

 

というのも、2020年12月発売予定となっている本作の最終作「天ノ少女」の登場人物の中に八木沼の姉が含まれており、いよいよ彼の過去も本筋で焦点に当てられるらしいのである。

 

また、発売時期は未定だが晩夏~秋ごろには本年の第2作である「虚ノ少女」のマイナーチェンジバージョンが特装版として発売されることが決まっている。

 

なんとしてもそれまでに「殻ノ少女」を再読しきってしまわねば……

殻ノ少女《 FULL VOICE HD SIZE EDITION 》 その4

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 余談

世間が、と言いますよりも世界が物騒な時世になって久しい今日この頃ではありますが、賢明なる読者諸氏の皆々様は健やかにお過ごしでしょうか。

 

どうやら筆者の地元にもついにコロナウイルスの感染者が現れたらしく、人々は軽い混乱状態に陥っているようです。

 

こんなときにゲームの感想なんぞ……とも思いますが、ルーティーンを崩せば怠け癖が再発しかねないということで、己に叱咤激励しつつ面白おかしく筆を執りたいと思う所存であります。

 

 

 ・雑感

女学生による売春組織「シスマ」、その元締めと目されていた女学生までもが惨殺された。

 

玲人は彼女の遺体が発見された状況をもとに、犯行が可能な人物像を探り出そうとする。

 

捜査線上に上がったのは、なんと玲人が臨時講師を務めていた私立櫻羽女学院の教師だった。

 

しかもその教師のカウンセラーだった西藤環医師の証言により、最初に発見された犠牲者と教師は生き別れた肉親だったことが判明する。

 

すべての状況証拠はその教師こそが犯人だと告げている。

玲人は決定的な証拠をもとめて犯人を追い詰めようとした。

 

だがその矢先に、玲人のかつての同輩であった上野の探偵・高城秋五の妻である和菜が行方不明になったとの知らせが入る。

 

犯人はすでに何人もの人間を惨殺している凶悪犯である。

一刻も早く見つけ出さなければ彼女の命が危険にさらされるやもしれない。

 

玲人と魚住は教師の生家に直行し、そこで狂気に飲み込まれた犯人と対峙する。

 

犯人は実の妹だった女生徒の死を受け入れられず、ほかの犠牲者たちの手足を奪って妹の亡骸に継ぎ接ぎし、妹を『復活』させようとしていたのである。

 

玲人たちの奮闘により犯人は無事に逮捕された。行方不明だった高城和菜は間一髪のところで助け出すこともできた。

  

幾人もの犠牲者を出した連続殺人事件は、こうして幕を下ろしたのである。

 

しかし玲人はまだ気づいていなかった。

彼らが大立回りをしているよそで、新たな凶悪事件が進行していることに――

 

 

 

……とまあ、殻ノ少女の前編にあたるところがこれにて一件落着となるわけだが、ここで物語の読者は強烈なミスリードに踊らされることになる。

 

玲人が犯人を追い詰めるために動き出そうとするところで視点交代が起こり、「犯人視点」での独白が始まるのだが……ここだけ読むと行方不明になった和菜が惨たらしく殺されている様子にしか思えないのである。

 

まさか前作「カルタグラ」のメインヒロインをこんな風に殺してしまうとは怖いもの知らずの作者だなあ、などと身震いしながら当時は読み進めたものだが、これが質の悪いミスリードなのである。

 

玲人たちが犯人の自宅に詰め寄ったとき、実際には和菜は薬で眠らされているだけであり、傷一つない状態で発見される。

 

妄執に塗れた犯人とのやり取りのせいで一瞬、先の犯人視点の独白の存在を忘れそうになるが、「じゃあさっきの描写は誰が誰を殺してる場面なんだよ」と後になってわかるような仕組みになっているのである。

 

一難去ってまた一難。

物語はいよいよ後半戦へと突入し、絵画「殻ノ少女」にまつわる事件へと移っていくことになる。

 

 

なおこれは余談なのだが、先日四ツ谷の画廊にて開催された「殻ノ少女画展」の公式図録には、画展で公開された絵画の一覧のほかに次のオマケ要素が収録されている。

 

・2020年12月発売予定の最終作「天ノ少女」登場人物(抜粋)の立ち絵・プロフィール

 

・「殻ノ少女」前半戦の犯人視点による短編小説「ベアトリーチェの回生」

 

この短編小説というものが非常に気色悪く(誉め言葉)て読みごたえがある代物で、事件の背後で何が起こっていたのかというのが推察される内容になっている。

 

一連の事件の中で、和菜の失踪だけは明らかに異質だった。犯人である教師はいわば妹の復讐として妹に売春を強要していた女学生たちを粛正していったわけで、和菜は被害者たちとは何ら関係がない。

 

それなのにどうして和菜は誘拐されてしまったのか。

殻ノ少女」本編を読んでもこのあたりのことはぼかされていたのだが、この短編小説ではそのあたりの事情が克明に記されている。

 

ずばり、和菜を攫ったのはバラバラ殺人の犯人である教師ではなかったのである。

 

そもそもこの事件には裏に真の黒幕ともいうべき人物が存在しているのだが、どうもこの人物が教師の隠れ家に誘拐した和菜を放置していたようなのだ。

 

このあたりの流れを見てみるとやはりこの教師という人物は、黒幕にうまい具合に操られていたのかもしれないと思えてならない。

 

玲人が黒幕の存在に気づき対峙するのは、物語の最終局面になってからなので、現時点での明言は避けるが……おそらく多くの読者が驚かされる衝撃の展開であることは請け合いである。

 

 

 

……最後に本当の本当にどーーーでもいい下世話な感想を書き記しておく。

ここ最近所用があって吉祥寺の井の頭公園に行く機会があった。

 

意図せず聖地巡礼してしまったわけだが、公園の池の周りをゆっくりと散歩しながらしみじみと思ったわけである。

 

「……玲人と冬子ってこの公園で結ばれるわけだけど、こんな見晴らしのいい場所じゃいくら雑木林の陰に隠れたってギャラリーに丸見えじゃん……2人して勇者かよ……」

 

……おあとがよろしいようで。

殻ノ少女《 FULL VOICE HD SIZE EDITION 》 その3

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

余談

時が経つのは早いもので、2月6日に発売されたPS4某ゲームに時間を吸収されてしまい、記録を取ることをおろそかにしてしまいました。反省しなければ……

 

(原作同様にフルボイスのアドベンチャーパートに加え、SDキャラでしか動かなかった人気キャラクターたちを等身大で自由に操作できるということが思いのほか面白く、原作未プレイの人にもオススメできる出来に仕上がっていたのでつい……)

(しかし、だからと言って間違っても原作に手を出すことはオススメしませんよ。沼にはまれば抜けられなくなるほどのやりこみ性と中毒性があるので)

 

・雑感

玲人は警察からの要請で巷を騒がす猟奇殺人事件を捜査しつつ、妹の紫や謎多き少女・冬子の通う私立櫻羽女学院での潜入捜査を継続していた。

 

検視官・高城夏目の報告により、これまでの犠牲者たちは行方不明になっていた櫻羽女学院の生徒だったことが明らかになる。

 

彼女たちはなぜ犠牲者に選ばれたのか。遺体に残された「黒い卵」の意味とは。

 

犯人の手掛かりがつかめないまま捜査は難航してしまう。

 

そのころ、玲人は朽木冬子という少女の抱える影の一旦を垣間見ることになる。

 

「本当の自分」を探してほしい。そう告げた彼女の心には、「誰にも愛されていない」「ここは自分のいるべき場所ではない」という漠然とした、それでいて確信めいた実感があった。

 

6年前、とある連続殺人事件に巻き込まれ婚約者を奪われた玲人もまた、口には出せないほどの無念さと寂しさを感じていた。

 

歳も違う。立場も違う。なのにどこか通じ合う。「探偵」と「依頼人」という二人の間には、少しずつ特別な絆が生まれていった。

 

だが事件は玲人を待ってはくれない。とうとう次の犠牲者が現れてしまったのだ。

 

首を百八十度回転させられ、両目をえぐり取られた惨たらしい少女の遺体。その口の中には、これまでにはなかった一篇の詩がねじ込まれていた。

 

この言い回し、どこかで見覚えがある――父が遺した膨大な書庫と知識を有する玲人は、これこそが犯人の手掛かりであると考え、詩の出どころを懸命に思い出そうとする。

 

やがて彼は紫との会話の中で、その詩がダンテの「神曲」からの引用であると気が付いた。

 

神曲」は詩人ダンテが生きたまま地獄を巡り歩き、やがて煉獄や天国へと至っていく物語である。被害者たちはいずれも、「神曲・地獄篇」の罪業に見立てて殺害されていたのだ。

 

しかし、「神曲」には被害者たちの身体に埋め込まれていた「黒い卵」の記述は存在しない。

 

単純な見立て殺人ではない。犯人の意図はほかにもにある。

 

玲人は学院への潜入捜査を続ける中で、妹の友人である四十宮綴子から有益な情報を得る。それは、被害者たちは全員、「黒い卵」をアクセサリーにして持ち歩いていたグループの一員だったというのである。

 

「黒い卵」で結びつく被害者たち。やがて玲人は、彼女たちを束ねていた元締めの存在を知る。

 

だが犯人の魔の手は、ついにその元締めにまで伸びてしまい――

 

 

 

 

 

殻ノ少女」前編にあたる部分の事件解決直前までのあらすじはこんなところである。

 

あらすじの途中で出てきた「高城夏目」とは、カルタグラの主人公・高城秋五や高城七七の姉にあたる。

 

倫理観と貞操観念のぶっとんだド級の変態だが、検死の腕は超一流である夏目女史。

しかし彼女に手間のかかる依頼をしてしまうと、性欲発散と称してイロイロと搾り取られるため玲人も魚住も難儀する人物だった。

(そのうえ七七と同様に度し難いほどのブラコンで、秋五に対する愛情が振り切れていていろいろと問題もある。だが、恋人を亡くして苦しんでいる玲人を励ます程度にはまともな良心も持ち合わせていて、一筋縄ではいかない女性とも言えるが)

 

そのほかの登場人物に触れるとすれば、美術館に勤める学芸員マリス・ステラだろうか。

 

この時点では単なる(奇妙な)脇役としか見なせない外国人『風』の女性だが、実はこの物語において非常に重要な立ち位置にいる存在である。その点については後日記すとして……

 

玲人は女学院に臨時講師として勤める都合上、紫や冬子が所属する美術部の顧問を掛け持ちすることになる。

 

事件捜査が難航していたころ、彼は妹たちの頼みを聞いて部活動の一環として東京都立美術館へ見学をしに行くのだが、ステラはそこの学芸員として登場する。

 

金髪碧眼に白磁の肌、どこからどう見ても西洋人でしかなく、話し言葉もたどたどしくとぎれとぎれ。しかし、美術品の解説をするときだけはとても流暢に話しだし、驚くほどの知識量を披露する。

(これは物語後半で明らかになるのだが、彼女はとある日本人シスターとイタリア人宣教師との間にできたハーフであり、日本で生まれ育った。このこと自体は物語の本筋には全く関係がないのだが、彼女の身内にはこの時点では書き記せない驚くべき背景があるのである)

 

 玲人たちは、ステラの解説のもと、間宮心象という有名な画家が描いた絵画の数々を眺めていく。

 

しかしその絵画の中に、ひときわ異彩を放つものがあった。

 

両腕のない女性が、割れた黒い卵から裸の上半身をさらけ出すという奇怪な絵。

 

殻ノ少女」と題されたその作品は、間宮心象往年の最高傑作と評されているとのこと。

 

だが、その殻の中に収められている女性の顔は、どう見ても冬子そのものなのである。

 

絵が描かれた時代を考えれば、冬子は生まれているかすら怪しい。だがしかし、どうしてこんなに似ているのか。

 

この絵を見た直後から、冬子は一層の虚弱に陥ることになるのだが……

 

巷を騒がす事件に黒い卵、そして「殻ノ少女」。

そのすべてがどのように絡まりあっているのか。

物語を追えば追うほどに深まっていく人間模様が本作の魅力とも言えるのだが、物語の結末に至るまでにはまだ当面時間がかかりそうである。

 

今後も引き続き記録を取っていくが、もうちょっと頻繁に更新できるよう頑張らなければ……

 

 

殻ノ少女《 FULL VOICE HD SIZE EDITION 》 その2

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また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

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***注意おわり***

 

  • 余談

いつの間にか年が明け、ほぼ一か月ぶりの更新となってしまいました。

 

明日からはついに四谷の画廊「アートコンプレックス・センター」にて『殻ノ少女画展』が一週間限定でオープンします。

 

殻ノ少女画展

 

この画廊は2015年11月にInnocent Grey10周年記念画展『花葬』を開催したこともある縁深い場所です。

 

シリーズ最終作「天ノ少女」の予告PVで名の上がった絵画「天罰」も再び展示されることは間違いないでしょうし、イノグレファンでなくとも単に美麗な絵を見に行くだけでも一見の価値ありと思われます。原作に興味のある人もない人も、是非とも足を運んでみるとよいでしょう。

 

  • 雑感

さて話は表題に戻りまして、「殻ノ少女」の雑感へと移ります。

まずはあらすじのおさらいから始めてみましょう。 

 

 

物語の舞台は昭和31年(1956年)の東京。

第二次世界大戦の傷跡がようやく癒え始めてきたころまで遡る。

 

(ちなみに「カルタグラ」は昭和26年=1951年の物語なので、およそ5年後ということになります。当時の主人公をはじめとした関係者もそこそこ登場しているため、「カルタグラ」をプレイしてから「殻ノ少女」を読み進めたほうがより感慨深いものがあると思われます)

 

主人公は新宿に事務所を構える私立探偵・時坂玲人(ときさかれいじ)、30歳独身。

 

殺人事件をはじめとした凶悪犯罪ばかりを扱うため、唯一の身内である妹・紫(ゆかり)からは何かと心配されていた。

 

彼は糊口をしのぐために元同僚の刑事・魚住夾三からの捜査依頼を請け負うことも多かったが、すべては拭い去れない過去のためである。

彼の抱える傷痕についてはまた後日語るとして……

 

その当時、吉祥寺界隈ではおぞましい猟奇殺人事件が立て続いていた。

バラバラにされ、まるで何かの見立てかのように奇怪に飾られた女の遺体。

玲人は魚住からの依頼を受け、この事件の捜査に協力することになる。

 

一方そのころ、紫の通う私立櫻羽女学院でも生徒の失踪事件が相次いでいた。

玲人は学院の教頭からの願いを聞き入れ、非常勤講師として潜入捜査を引き受ける。

 

なぜ犯人は遺体を衆目にさらすような真似をするのか、二つの事件に関わりはあるのか……

 

本格的に捜査へと乗り出そうとしたとき、玲人は風変わりな女学生・朽木冬子(くちきとうこ)と出会う。

 

同級生の身内に探偵がいるなんて興味があった__そんな理由で玲人を付け回していた冬子だったが、彼女はこともなげに探偵・時坂玲人への依頼を口にする。

 

「探してほしいんだ。--私を。本当の、ね」

 

この出会いが、巷を騒がせている事件、ひいては玲人の過去をも巻き込む発端になることを、二人はまだ知る由もなかった。

 

 

 

第1歌(本作では章の単位が「歌」になっている)が終えるまでの大まかすぎる内容はこのようなところだろうか。

一度全編を通して読んだことがあるため、この時点で判明していないことまで書いてしまわないかを気を付けつつ、なんとなくぼかすとこうなると思われる。

 

 それにしても、HD版の販売にあたって玲人の担当声優が「髭内悪太」氏に変更になったのだが、思った以上に玲人のイメージが崩れなかったので安心した。

(強いて言うなら、「高橋がならない」氏の旧版のほうが優男感が強く、

「髭内悪太」氏のほうが渋み・ハードボイルド感が増した、くらいの差はあるかもしれないが)

 

まだまだ書き足りないが、これ以上書くとまとまりがなくなりそうなのでいったんここで打ち切ることにする。

 

続きはまた後日ーー

殻ノ少女《 FULL VOICE HD SIZE EDITION 》 その1

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***注意おわり***

 

読者の皆々様方、お久しぶりでございます。

 

近年ますます筆不精になってきたためか、主な発言が月に1・2度の「つぶやき」だけになってしまっている今日この頃。

 

すべて「お空の物語」が筆者の時間を搾取していることが原因なのですがーー

 

閑話休題、1年以上間をあけたにもかかわらず敢えてブログを再開したのは、どうしてもお知らせしたい儀がありましたので再び重い腰をあげたしだいでして。

 

本日、2019年12月20日はすべてのイノグレファンにとって記念すべき日となるでしょう。

 

ついに……ついにあの物語が再始動をはたしたのですから。

 

殻ノ少女HD

 ※18歳未満立ち入り禁止!!

 

本作は「イノセントグレイ」によって2008年7月に発売された本格ミステリゲーム「殻ノ少女」のリメイク作品である。

 

リメイクといってもシナリオが変更になったりエンディングが増えたりといったことはない。

主な変更点は「画像のHD化」と「主人公・時坂玲人のフルボイス化」である。

 

主人公の声については本作のドラマCD、アニメ、第2作にあたる「虚ノ少女」では「高橋がならない」氏が担当していたが、第1作にあたる「殻ノ少女」本編では声がついていなかった。

 

とはいえ、そもそもイノグレ作品の本編で主人公に声が付き始めたのが「虚ノ少女」からなので、発売当時の筆者はその点をそこまで意識していなかった。

しかし、ドラマCD以降から主人公・時坂に色気と渋みがある素晴らしい音声が付いたことにより物語に深みが増した。そのため、いつかは本作もフルボイス化すればいいのにと願っていたのだが……長生きすると思ってもいない幸運に見舞われるものである。

 

今回、本作の最終作にあたる「天ノ少女」の前哨戦として本作のリメイクが決まり、個人的には内心で小躍りしている。

 

しかも初回限定版にはそれなりに厚みのある短編小説や、すでにロットアップしているサウンドトラック「azure」が付属していたりと、豪華そのもの。

 

 なお小説については素読しただけのため後日感想を別記したいと思うが、内容は「本作の前日譚」と「虚ノ少女で語られなかったとある人物の行動」について書かれている。

 

  このHD版から本作を手に取った読者からすると情報が乏しくて内容が理解しきれないのではないかと思われるが、「虚ノ少女」までプレイしている古参のファンならばきっと最終作への期待に胸を膨らませられる、まさに必見といった内容になっている。

 

さて、本日からしばらくは本作をプレイしながら10年前のむなしい日々を思い返すつもりであるため、再びブログの更新が止まることになる。

 

しかし、この物語の面白さを文章にして残したい衝動が尽きないため、徐々にだが感想というか考察もどきのようなものをしたためていく予定である。

 

酔狂な読者諸氏がいらっしゃるならば、どうか期待せず生温かな目で流し読みしていただければこれ幸いであります。

 

歌舞伎町探偵セブン (first season) その8

***注意はじめ***
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***注意おわり***

 

●事件6「恋するレバー教団連続失踪事件」

 

  f:id:Maris-Goodman:20180917011058j:plain

 

事件6を受け持つ先輩探偵は、天才ハッカー少年「タイガ」。

(CV:山下 大輝)

 

彼は事件4を担当するリュウの弟で、現役の高校生である。

 

天才の弟はまた天才とでもいうのか、彼は理屈を無視した感性のみの手法によってあらゆる情報を盗み見ることが出来る。

 

しかし本人はいたって無邪気な少年のため、その技術を悪用しようとは考えつかないらしい。周りの大人たちからすればそれだけが救いとも言える。

 

ちなみにこの歌舞伎町探偵セブンには、セブン探偵事務所にこそ所属していないがレギュラーキャラクターとして情報屋の娘・みずきという少女も登場する。

 

物語上、参加者こと新人探偵の年齢は不詳になっているが、タイガやみずきがやたらとフレンドリーに話しかけてくることからも、新人探偵はそこそこの若者をイメージして作られているのかもしれない。

 

さて肝心の事件についてだが、今回の依頼主はとある会社員の男。

 

彼は交際中の女性が新興宗教「恋するレバー教団」に嵌ってしまったあと行方不明になったとして、セブン探偵事務所に助けを求めてきた。

 

彼女の行方を知りたくとも、連絡がつかず有力な手がかりがまったくない。そこで探偵社の一同は女性の家を訪ね、彼女のPCを発見する。

 

軽いノリで同行していたタイガはPCの解析をしておくから、依頼人と一緒に教団のことを調べてきて欲しいと参加者こと新人探偵に頼むのだが・・・・・・というのが大筋である。

 

この事件では、PCの解析をするタイガと参加者とが二手に分かれて捜査をするという建前で物語が進行する。

 

参加者はタイガからもらった「ハッキングマニュアル」をもとに情報を抜き出せそうなものがないかを探しては、タイガに解析を依頼するという行程を繰り返すことになる。

 

ただ、その情報を手に入れるために実際に「恋するレバー教団」へ潜入捜査をする必要があるのだが・・・・・・これが何ともいえない未知の体験になっている。

 

この事件6も事件4と同様、18歳未満であってもイベントに参加できるのだが、この事件にはある種独特の緊張感・恐怖感があることを明記しておきたい。

 

現実のカルト教団もこのようにして信者を増やしたり洗脳したりするのかー・・・・・・などと気楽に考えられるならば問題ない。

 

ただし、事件の真相が見えてくるにつれて、宗教と犯罪が結びついたときの恐ろしさがじわじわと胸を締め付けてくる可能性はある。

 

聞き取りの回数も少ないし、怪しげな店に入ることもなかったにもかかわらず、公開されている事件の中で最も深い「闇」を感じた事件であったと断言できる。

 

 

とはいえ、潜入に関するイベント設定や、webをフル活用した情報収集は工夫が張り巡らされていて、とても良い頭の体操になった。

 

パズル的要素が強いのも、事件6の特徴だったと言えるだろう。

 

ふざけた感のある副題からは想像もつかないシリアス展開が待っているので、どうか食わず嫌いをしないで参加してみて欲しい。

歌舞伎町探偵セブン (first season) その7

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

●事件5「整形アイドル恐喝事件」

 

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事件5を受け持つ先輩探偵は、金庫破りの達人「キョウコ」。

(CV:加藤 英美里

 

普段は所長の秘書などの事務周りの仕事をしてくれている女性だが、場合によっては探偵の仕事を担当することもある。

 

彼女の過去は謎に包まれている。どうして盗みの技術をもっているのか、昔は何をやっていたのか、キョウコは一切話そうとしない。

 

所長やラビットといったほかのメンバー達の会話から察するに、過去に大切な人を亡くしたか失ったことがあるようなのだが、詳細は明かされていない。

 

やはり、第二期へ向けての伏線であると考えることができる。

 

今回、そんな彼女が探偵の仕事を受けることになったのは、とあるアイドルからの依頼がきっかけだった。

 

そのアイドルはまだ駆け出しだったのだが、過去に整形手術を受けたことをネタに、手術を担当した闇医者から脅迫されているという。

 

卑劣な闇医者からアイドルを守るためには、脅しのネタであるカルテを盗み出すしかない。

 

非合法な手段だとわかっていながらも、キョウコと参加者こと新人探偵は闇医者の居場所を突き止めようとするのだが・・・・・・というのが大筋である。

 

個人的な所感となってしまうが、この事件5は最も推理・ミステリー色の強い物語となっていたように思える。

 

最初は居場所のわからない闇医者の所在地を突き止めるために方々を歩き回っていたと思ったら、物語の後半では思いもよらない展開が待ち受けていた。

 

参加者は聞き取り調査の内容、得られた証拠、テキストから読み取れる登場人物たちの発言などなど、それらすべての手がかりを元に事件の真相を導き出す必要があるのである。

 

ある意味、マンガやドラマの世界における「探偵」の役割を追体験できる事件だったといえる。

 

もっとも、この物語にはそもそもの登場人物が少ないため、本格的なミステリーと比べれば検討しなければならない要素はさほど多くない。

 

困ったときにはLINEを通じて所長にヒントを求めることも出来るため、そう肩肘張らずにイベントに参加してもらって大丈夫である。

 

この事件を通して、2013年に参加した「本屋迷宮からの脱出」、2014年に参加した「漫画迷宮からの脱出」のことを思い出してしまい、とても満足することが出来た。

 

筆者としては事件1と並んでオススメしたい事件である。