悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

逆転裁判6 その4

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

第4話「逆転寄席」

 

成歩堂王泥喜が不在の「成歩堂なんでも事務所」に弁護の依頼が舞い込んだ。被告人は夕神検事が馴染みにしている蕎麦屋の4代目。弁護士としてはまだまだ半人前の希月だったが、夕神からの依頼を引き受けることに。そんな彼女と相対するのは、上司と先輩たちを散々苦しめた異邦の検事・ナユタだった……などの展開。

 

 

…………前回プレイしてから5ヶ月以上もたってしまっていることに深く反省している。その間、殆ど3DSを開かなかったのが原因なのはわかっているが、もっとサクサク進めるつもりだったのに。

 

 

第4話は裁判パートのみの話で、クライン王国にいる成歩堂とはまったく関わりのない小休止的な事件といった印象を受けた。

 

タイトルに「寄席」とあることからも想像がつくが、今回の被害者は落語家の大物である。

 

落語の知識がなくても適時解説が入るためまったく問題なかったが、それなりに楽しめた。

 

証人の一人が多重人格障害という、心理学を得意分野とする希月にはうってつけの設定だったのはやりすぎな感もあったが、その分だけ前作から新登場した「カウンセリング」モードの出番ができたためにやりがいはあった。

 

なにぶん探偵パートがないうえに容疑者が少なすぎるから、裁判開始当初から犯人の目星がついてしまったことは残念ではあるが。

 

それにしても、日本酒を「水カステラ」などと言い換える習慣があるとは知らなかった。古い言葉には風流なものが多いが、これはまた格別である。

 

 

さて、ネット上の情報をちらほら見ていると、どうも本作は次章で最後となるらしい。

 

DLCのエピソードを一つ追加しているとはいえ、このままだとあっけなく終わってしまう気がしてならない。

 

大逆転裁判の二の舞にならなければいいのだが……

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第25話(終)

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

一瞬の隙をつかれエンブリヲに攫われてしまったアンジュ。目を覚ますと、そこはエンブリヲの本体が隠れていた「次元の狭間」であった。一方タスクたちは、神龍アウラが二つの地球の融合を阻止している間に、ヴィルキスの力によって「次元の狭間」へとアンジュを助けに行こうとしていたのだが……などの展開。

 

 

エンブリヲとの戦いに敗れ腹部を貫かれたジルは、サリアたちに看取られてこの世を去った。

 

本作のレギュラーキャラの中で最も死にそうにないと思っていた人物だけに驚きはあるけれど、話の展開的には死ぬしかなかったような気もする。

 

ジルがタスクの父親に片思いしていたというのはオマケすぎる情報だったが、その感情をエンブリヲによって利用されて彼女がすべてを失い、復讐の鬼と化したのだとしたら、最後の最後に重大な情報を公開したということなのか。

 

結局、ジルはアレクトラだったころの思いを引きずったまま死んでしまったわけだが、本当にこれでよかったのか。ただ、彼女が復讐に走らなければアンジュたちがエンブリヲと戦うまでにも至っていなかったわけで、彼女の存在は何だかんだ言っても大きかったとも言えるかも。

 

 

エンブリヲは元々、素粒子科学の研究者だったことが明かされた。彼は1000年ほど前、実験の失敗によって研究施設ごと次元の狭間へと飛ばされてしまい、時間の流れが止まった場所から平行世界の地球を観察し続けていたのだという。

 

その間に彼は自らの技術を総動員して人間(ホムンクルス)を作り、「マナの満ちた世界」を創造した。

 

エンブリヲが神を自称するようになった経緯はわかったが、彼の自分勝手すぎる人格がこういった経緯が原因でそうなったのか元からそうなのかはよくわからない。

 

まあ、自分が作った人類の子孫に当たるアンジュにあそこまで執着しているとなると、なにやらなんとも言えぬ不快感というか気持ち悪さがあるのは確かだが。

 

 

アンジュとタスクの協力により、エンブリヲは縦から真っ二つに切断されて死ぬという非常にアレな最期を迎えることになったが、まあそれはそれとして。

 

新世界の神にして人類の敵・エンブリヲを倒したアンジュたちは、ドラゴンたちが暮らす真実の地球へと残されてしまった。まあ、「マナが満ちた世界」に戻っても居場所なんかないだろうから、当然の選択とも言えるが。

 

彼女たちはこれから、ドラゴンたちと共に平和に暮らしていくのだろう。

 

 

 

最終話はとにかく駆け足で終わってしまった印象が強い。

 

話を終わらせる=エンブリヲを倒すために、アンジュしか使えなかったはずのヴィルキスをタスクが利用することによって「次元の狭間」へとワープするという超展開までやってのけてしまった。

 

なんというか、ノリと勢いとエログロの成分によって物語の整合性をほんのりと誤魔化している気がするのだけれど……まあ、おもしろければ何でもいいがね。

 

 

なんにせよ、長い間放置していた作品を消化できたのは嬉しい限りである。しかし、まさかこの作品に3ヶ月も時間をかけることになるとは不甲斐ないばかりである。

 

この調子で別の作品も感想を書けたらいいとは思うが、やはり面倒くささがあってダメそうである。

 

もっとこう、1話につき100文字くらいで感想を抑えられれば気楽に書けるかもしれないが……今後の課題になりそうだ。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第24話

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また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

アンジュに代わり、サリアとの戦闘を引き受けたジル。これまでの鬱積を晴らすかのように、サリアの猛攻はジルを追いつめていく。一方、アウラの幽閉場所を発見したサラマンディーネは、駆けつけたアンジュと共にアウラを解放しようとするのだが……などの展開。

 

 

ジルに認められたかったのに、ジルは自分のことを少しも見てはいなかった。

 

それこそがサリアが寝返った最大の理由であり、動機である。

 

ジルと直接ぶつかりあい、あと一歩というところまで追いつめたサリアだったが、ここにきてエンブリヲからの裏切りにあってしまう。

 

エンブリヲは自分が逃げ出すためにサリアたちを操って強制的にドラゴンたちの夫人のど真ん中へと追いやり、囮として使おうとしたのである。

 

そこでようやくサリアも正気になった模様。しかしジルは彼女と会話する時間もほどほどに再びエンブリヲを追ってしまう。

 

一方で同じく囮として使われたクリスも、ロザリーによる捨て身の行動によってようやく目が覚めた模様。一人で勝手にいじけてなにやらかしてくれてるんだこの女は、と言ってやりたいところだが、まあ人死にが少なくすんだのは何よりである。

 

 

それよりも、エンブリヲ自身も吐き捨てるように言っていたが、タスクののろけ話が卑猥すぎてどうしようかと思った。いくらエンブリヲを挑発するためとはいえ、そんなことまでは言わなくて良かったんじゃないの、というところまで突っ込んだ話をしていてビックリした。これ、一応地上波で放送されてたアニメなんだよね???

 

まあ、エンブリヲエンブリヲで結婚していなければ見向きもされていないアンジュを自ら妻とか言っちゃう勘違い男だし、これぐらい言われてちょうどいいのかもしれないが。

 

サラマンディーネらの活躍によって無事にアウラを解放したものの、時既に遅かったらしい。すでに二つの地球の融合は臨界点を超えているとかで、もうアウラの力をどうこうしたところで空間歪曲は止められないのだという。

 

残りあと1話でこの広げまくった風呂敷をどう畳むつもりなのか、気になるところである。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第23話

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***注意おわり***

 

エンブリヲによって引き起こされた空間歪曲によって、マナの満ちた世界は崩壊を始める。エンブリヲの凶行を止めるため、アンジュたちは最後の決戦へと趣くのだが、彼女の行く手に再びサリアが立ちふさがり……などの展開。

 

 

ここにきてヒルダがデレるとは正直意外だった。というか、ヒルダの女好き設定って自分が脱走しやすくするための狂言だと思っていたのだが、どうもアンジュに対しては本気の模様。なんと言うか、なんとも言えない(感想になってない)

 

前回一夜を過ごしたことで親密度が急上昇したアンジュとタスク。ただ、いくらお守り代わりとは言え脱ぎたてのパンツをくれてやるのは女の子としてどうなんだろうと思うのですが。やはりなんと言うか、なんとも言えない(だから感想になってないってば)

 

ここに来て再びシルヴィアが登場するとは。正直、この物語の狂人筆頭格のひとりだからもう出番なんかなくていいんじゃないかと思っていたのだが。

 

それにしても、やはりマナの満ちた世界の人間たちの性根が腐りすぎていて気持ちが悪すぎる。まあ、彼らを作ったエンブリヲ自身が腐っているからしょうがないといえばそうなのかもしれないが。

 

サリアとの戦闘の余波でたまたまシルヴィアと合流したアンジュだったが、彼女に対する人間たちの言動がもう、胸糞悪すぎて吐き気がする。

 

武器を片手に自分たちを助けろと詰め寄ったかと思えば、ソレが叶わないと知るや殺そうとするとか、どんな人間だよと。まあ、こんな人間ばかりなら新世界は崩壊しても止む無しですな。

 

それよりも、こんなクソな人間ばかりが生きている世界と融合させられることによって死の危機に瀕しているドラゴンたちの方が圧倒的に気の毒である。

 

はやいところエンブリヲを止めなければならないのだが、彼の弱点を知るジルがいうには、彼は不確定領域に存在する自分を好きなように現実世界に顕現できるらしい。つまり、アンジュたちが相対しているエンブリヲは実態のある幻影のようなもので、本体は異次元に存在しているらしいのだ。

 

なるほど、エンブリヲが不死身に思えたのは本体に攻撃を加えていたわけではなかったからなのか。文字通り「次元が違った」わけである。

 

エンブリヲを倒すにはヤツを異次元から現実世界に引っ張ってくるか、自分たちがエンブリヲが隠れている次元に行くしかない。

 

方法論はわかっても非常に難しい上、なによりサリアの攻撃が邪魔で仕方がない。

 

そんなとき、満を持してジルが戦線に復帰する。

 

エンブリヲに手篭めにされた過去を憎んで彼への復讐を誓い、そのために数え切れないほどのノーマたちを死地に追いやったジル。これで償いになるとは思っていないだろうが、果たして彼女はどうなってしまうのか。

 

無情にもサリアを撃退するのか、それとも……

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第22話

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アンジュの逃亡を許したことへ静かな怒りを燃やすエンブリヲ。自らにとってのみ都合のよい新世界を創るべく、彼はその冷徹な本性を表していく。一方、タスクの命がけの行動によってエンブリヲの追跡から逃れたアンジュは、かつて始めてタスクと出会った無人島へと流れ着いていた。すべてを失い悲嘆に暮れるアンジュは、床に転がった拳銃を手にとり……などの展開。

 

 

かつて10代後半と思しき少女の尻を直に叩き倒すシーンから始まるアニメなどあっただろうか。エンブリヲ、マジぱねーっす。

 

サリアは承認欲求が強すぎてちょろすぎるし、エルシャは子どもたちへの依存心が強すぎてやっぱりちょろい。クリスに至っては言わずもがな。

 

どいつもこいつもエンブリヲに簡単に乗せられすぎて人間としての底が浅すぎる。ただし、ココに来てようやくエルシャは自分がただ利用されていただけだと気付き、ヒルダたちの元へと投降した。

 

残るサリアとクリスはどうする気なのか気になるところ。

 

 

一方、モモカとタスクの死を目の当たりにしたアンジュは、自殺寸前まで追いつめられていた。

 

……のだが、あまりにもあっさりとタスクが生きていたことが明かされて逆にビックリした。拍子抜けしたといってもいい。

 

アンジュが指摘するように、たしかタスクはエンブリオからの銃撃を受けて怪我していたはずなのにその傷もない。あの派手な爆発の中をいったいどうやって脱出したというのか。まったく謎の男である。

 

その勢いのままアンジュとタスクは一夜を共にしてしまうわけだが、これを影からずっと覗いていたと思しきモモカはやはりできる従者である。自分がその立場なら居たたまれないからやめて欲しいところだけれど。

 

 

エンブリヲは世界を作り直すために、「マナの満ちた世界」の住人たちからマナを操る力を取り上げたらしい。まあ、当然の報いといえばそうだけど。これまでノーマをやたらめったら差別しまくって自分たちだけがいい思いをしてきたツケがここにきてまわってきたのだろう。もっとも、それをやったのが自称神であるエンブリヲなのがまたムカツクのだが。

 

 

軍医のマギーがさらっと解説していた重要事項と思われる真実がひとつある。

 

ドラゴンの声はマナに干渉してしまうため、マナの力に依存しきった人間たちではドラゴンと戦えない。ゆえに、マナを操る力を持たないノーマたちが対ドラゴンの尖兵として前線に送り込まれていた、のだという。

 

ドラゴンたちは新世界に移住しなかった旧人類の生き残りの子孫なわけだが、そんな彼らの声がエンブリヲの創った人間たちにとって致命的な弱点というのは、まだまだ深い意味が隠されているのかも。

 

気になるところではある。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第21話

あまりの忙しさに筆を折っていた11月を恥じ入ると共に、いつのまにやらブログ開設1周年を過ぎていたことを忘れていた自分の情けなさを痛感するこのごろです。

 

 

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

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***注意おわり***

 

エンブリヲの元から逃げ出したアンジュを助けるために、サラマンディーネが援軍を引き連れてやってきた。同じ頃、ヒルダやタスクたちもアンジュの救助へ向かおうとミスルギ皇国への侵攻を始めていた。しかし、アンジュがどれだけ逃げようと、エンブリヲの追跡は止むことがなく……などの展開。

 

 

エンブリヲから拷問というか折檻され続けていたあいだに一度も風呂に入れられなかったのか、サラマンディーネから臭い呼ばわりされてしまったアンジュ。不憫である。(一方、そんなアンジュとくっついてパラメイルに搭乗していたモモカは微塵も表情を変えていないのスゴイ)

 

前回の感想でも述べた気がするが、やはり「マナの満ちた世界」の住民たちはエンブリヲが創った人間たちゆえ、エンブリヲにとって彼らを操ることなど造作もないことらしい。

 

マナを使える人間であれば、誰だろうとその意識を乗っ取れる。しかも、複数人同時でも操ることが可能というチートっぷり。こんなヤツ相手にどう戦えというのか。

 

そしてそれはアンジュの従者であるモモカも例外ではない。アンジュがモモカと逃げ続けるかぎり、エンブリヲの魔の手から逃れる術はどこにもない。

 

それを悟ったのだろうか、モモカはエンブリヲを道連れに特攻を行い、爆炎の中に消えてしまう。

 

だが、エンブリヲは不死身の男である。どういう理屈か知らないが、死んだらその途端に無傷のエンブリヲがまったく別の空間に突如として現れる。モモカと共に爆炎に飲まれたはずのエンブリヲは、やはり無傷の状態で再びアンジュの前に立ちふさがる。

 

ついにはアンジュを逃がすため、タスクまでも犠牲に。

 

なんだなんだ、物語終盤になって主要メンバーを殺しにかかってきてるが、大丈夫なのかこの話?

 

 

 

一方、エンブリヲに唆されたクリスはこれまでの不満が爆発したのか、ヒルダとロザリーを殺そうと躍起になっている。

 

友達付き合いしていると良くありがちな、「誰か一人が我慢を強いられている」ケース。こういった陰湿な現実はあまり見たくないのだが……まあ、それ以外にクリスがアンジュたちと敵対する理由がないからその動機付けにされたのだろうけれど。

 

戦闘の最中に新兵を手にかけてしまったクリスだが、果たして彼女はヒルダたちの元に帰って来れるのか。それとも、エンブリヲについたまま敵として死んで行くのか。

 

今回まったく出番のなかったサリアや、再び子どもたちの死に直面してしまったエルシャなど、敵に寝返った人物たちの未来も含めていろいろと心配である。

 

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第20話

***注意はじめ***

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また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

軟禁したアンジュに対して、エンブリヲは驚くべき提案をする。それは、彼女を自分の妻に向かい入れるというものだった。彼女と力を合わせ、古い世界とアンジュたちがいた世界をひとつにすることで、今ある世界を壊すことを目論むエンブリヲ。彼の申し出に対してアンジュは……などの展開。

 

 

エンブリヲが不死身らしいということは以前からわかっていたことだが、刺されても銃撃されても何事もなかったかのようにしていられるのはどういう理屈なのか。

 

異常な自己治癒力によって傷を塞いでいるというよりも、攻撃されたこと自体をなかったことにしているかのような、瞬時にタイムスリップでもしているかのような不思議な回避方法を取るエンブリヲ。彼が旧世界の人間だったのだとしたら、いったい自分自身にどんな改造を施したらこんな超人じみたことができるというのか。

 

 

それにしても、やはりエンブリヲの胡散臭さというか下衆っぷりは見たまんまであった。

 

サリアたちを篭絡したその口で、今度はアンジュを自分の妻にするなどと、本当によくもまあ言えたものである。

 

それもこれも、アンジュたちは所詮自分が作った人間の一人だから、何をしても構わないと考えている節があるような気がしてならない。

 

 

エンブリヲはこうも言っていた。

 

「旧世界の人間たちは野蛮で好戦的でね、足りなければ奪い合い、満たされなければ怒る。まるで獣だった。彼らを滅亡から救うには人間を作り変えるしかない。そしてこの世界を創った」

 

「だが今度は堕落した。与えられることに慣れ、自ら考えることを放棄したんだ。君も見ただろう、誰かに命じられれば、いとも簡単に差別し虐殺する。彼らの腐った本性を」

 

「人間は何も変わっていない。本質的には邪悪で愚かなものだ」

 

 

……なんだか、まるで人事のように言っていますけれどもね、そんな上から目線な言葉を口走っているエンブリヲ自身もその「野蛮で好戦的」な旧世界の人間だし、なによりも生命を弄ぶその姿勢は「いとも簡単に差別し虐殺する」新世界の人間と何が違うというのだろうか。

 

こんな彼が創った世界だからこそ、「本質的には邪悪で愚かな」人間が溢れる結果になったのではないか。

 

結局のところ、エンブリヲというのは、自分が思い通りにならなければ気が済まない駄々っ子と何も変わらない。

アウラという強大なドラゴンを閉じ込めて、そこから生まれるエネルギーだけを強奪して、まるで新世界の神を気取っている。

 

こんな人間の思い通りになど、だれがなりたいものか。

 

アンジュが、というか普通の人間ならこんな男に対して反感を覚えないはずはないのだけれど……

 

やはりアンジュたちが作られた人間だからなのか、エンブリヲはそんな彼女たちをたやすく操ってしまう。

 

痛覚を50倍にするだの、触覚すべてを快感に変えるだの、それなんてエロg……もとい、えげつなさであろう。

 

 

アンジュが母から伝えられた「永遠語り」という歌は、エンブリヲが言うには宇宙の構成理論を音楽に変換したものだという。

 

それを歌うことによって、ヴィルキスが超性能を発揮し、果てには二つの地球を一つに融合できるというのだから、まったくとんでもない話である。

 

二つの世界を一つに融合するということは、数話前にドラゴンの世界に現れた空間歪曲が世界中に出現するということで、それはつまりその場にいた人間すべてが時空の渦に飲み込まれて死ぬということである。

 

エンブリヲは、二つの世界をまとめて壊す気でいるのだろう。

 

エンブリオから陰湿な拷問を受け続けたアンジュだったが、サリアの心変わりによってその場から逃げ出すことに成功した。

 

しかもその場にサラマンディーネが援軍に訪れるという都合のよさである。

 

果たしてアンジュは、得体の知れない不死身の力を持つエンブリヲとどう抗っていくのだろうか。