悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

歌舞伎町探偵セブン (first season) その4

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

●事件2「裏カジノ・イカサマ事件」

 

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事件2を受け持つ先輩探偵は、不敗のギャンブラー「BJ」。

(CV:熊谷 健太郎

 

歌舞伎町探偵セブンの物語では、歌舞伎町を根城とするギャンブラーたちは自分の勝負強さや格付けを「二つ名」で表しているらしい。

 

BJの二つ名である「不敗」は文字通り、負け知らずの超実力者であることを示している。

 

そんな彼がどうしてセブン探偵事務所の探偵をやっているのかは物語を解き終えると明かされるため、それはお楽しみにするとして。。。

 

今回の事件はとある田舎者ギャンブラーからの依頼によって始まる。

 

田舎者の青年は、その業界では知らぬ者のいない有名なベテランギャンブラーを師匠としていたのだが、その師匠が歌舞伎町に出かけたきり帰ってこないのだという。

 

話を聞いてみると、ベテランギャンブラーは違法な裏カジノの罠にかかり、多額の借金を科せられて監禁されているらしい。

 

参加者こと新人探偵は歌舞伎町のカジノ事情に詳しいBJと共に裏カジノの実態を調査することになった・・・・・・というのが大筋である。

 

この事件2については他の7つの事件と異なり、物語の前半部分が非常に特徴的なものとなっている。

 

詳細を記すとネタバレになってしまうため敢えてぼかすが、参加者は裏カジノの情報を集めるために様々な「運試し」をすることになる。

 

この「運試し」というのが非常に厄介な代物で、運の悪い参加者は歌舞伎町を周遊する時間が増えてしまうように「設定」されているのだ。

 

このイベントの目玉のひとつが「探偵体験」であることを考えると、調査や聞き取り以外の要素によって歩き回る時間が長くなることに納得いかない参加者もいるかもしれない。

 

しかしそこはあくまで「歌舞伎町を周遊するイベント」として割り切れば、回り道もそれなりに楽しいものになるはずである。

 

しかも、物語の後半部分では息もつかせぬ怒涛の展開が待っている。

 

全編を通して「ギャンブル」という要素が詰まったこの物語を通して、歌舞伎町の「闇」の一面を体感できる・・・・・・かもしれない。

 

他の事件とは異なり、物凄く気合の入ったキャストの演技を見られるのも、この事件2の魅力であると言えるだろう。 

歌舞伎町探偵セブン (first season) その3

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

歌舞伎町探偵セブンの魅力のひとつは、なんと言ってもスマートフォンをフル活用した臨場感です。

 

ただしこれは魅力であると同時に、イベント参加への敷居を高める要因にもなっています。

 

なぜなら、イベント参加にはスマホアプリ「LINE」の使用が必須となるためです。

 

とはいえ、個々人が持ち歩いているスマートフォンを活用しているからこそ、イベントの参加費を抑えつつ、あたかもハイテクな捜査をしているようなドキドキ感が味わえているとも言えます。

 

事件の導入時にはアニメーションによるオープニングムービーが見れるほか、プロの声優さんたちによるキャラクター達の掛け合いを5~8分ほど聞くことが出来ます。

 

まるでテキスト形式のアドベンチャーゲームをプレイしているかのようで、いい意味で現実と虚構の垣根を取り払う下準備をしてくれているかのようでした。

 

人によっては、好きな声優さんがキャラクターボイスを充てているというだけでもこのイベントに参加する価値はあるかもしれませんよ?

 

●事件1「No.1キャバ嬢殺人事件」

 

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「歌舞伎町探偵セブン」では、参加者はセブン探偵事務所に雇われた「新人探偵」として扱われる。

 

このセブン探偵事務所には個性的かつ優秀な先輩探偵たちが所属しており、参加者は彼らが受け持つことになった事件を研修の名目で手伝うことになる。

 

事件1を受け持つ先輩探偵は、ヤクザ探偵「ラビット」。

(CV:大塚 明夫)

 

元々は歌舞伎町で暴れまわっていたヤクザ者だったらしいが、何らかの事件をきっかけにセブン探偵事務所に所属する探偵になったとのこと。

 

 

そんな彼の元に舞い込んだのが、一人のキャバ嬢の死の真相を突き止めて欲しいという依頼だった。

 

ここまでのやり取りをスマートフォンの動画で確認したあと、実際に依頼主に会うために本物のキャバクラに向かうところから捜査が開始する。

 

入門編と銘打たれた事件0が公開される前は、恐らくこの事件1から始める参加者が多かったはず。

右も左もわからない参加者をまず真っ先にキャバクラに向かわせるとは、運営者も思い切ったことをしたものである。

 

この手のイベントに参加する者は、十中八九その手の店には縁がないはず。

 

ゲーム開始時に渡された地図と店の名前を何度も見比べて、

 

「えっ、本当にこの店? 本当にここ入っていいの? 店の人に怒られたりしないの? 本当に大丈夫? 本当に――(エンドレス)」

 

と扉の前で右往左往する者も少なくなかったのではないだろうか。(筆者がその一人)

 

しかし、そこは安心して欲しい。

 

このイベントで立ち入らなければならない店は、基本的には「夜」の店ばかりである。

 

イベントが開催している昼間から夕方にかけては店の人は裏手で開店準備をしていることが多く、実際には営業時間前となっている。

 

キャスト(=運営スタッフが扮する物語上の人物)は開店前の店の一角を間借りしているため、参加者は間違えることなく聞き込み調査をすることが出来る、といった寸法なのだ。

 

ちなみにこの事件1は、公開されている8つの事件の中で最も多くの店に出向き、最も多くのキャスト相手に聞き込みをする必要がある。

 

懸命なる読者諸氏を始めとするパーリーピーポーリア充にとっては何てこともないだろうが、筆者のような腐れボッチにとっては少しばかり骨が折れる作業であった。

 

しかし、その分だけ事件の真相を自分自身が追及しているという実感を得られたとも言える。

 

物語終盤では、あたかも本当に命の危険に晒されているような錯覚さえ感じるほどのスリルを味わうこともできた。

 

ただしこの事件1に関して言えば、推理や犯人探しがしたい人にとっては若干趣旨が異なるかもしれない。

 

8つの物語の中には、推理が主体になっているものもあるにはあるが、やはりこのイベントの主題は「探偵体験」である。

 

現実の探偵は「じっちゃんの孫」や「身体は子供頭脳は大人」な天才たちのように事件の犯人を突き止めたりはしない。

 

あくまで依頼人の要望にしたがって、何がしかの調査をすることがメインとなる。

 

・・・・・・ただまあ、そうは言っても事件1は「殺人事件」と銘打っているだけあって、結局のところ犯人との対決が待っているのだが。

 

なにはともあれ、本イベントは2時間ほど街中を歩き回り、集めた手がかりを元に熟考すれば誰でもクリアすることは可能である。

 

先日イベントの終了日が発表され、真っ先に終了してしまうのがこの事件1であるため、未体験のプレイヤーには事件1を優先的に体験することをオススメする。

 

 

 

歌舞伎町探偵セブン (first season) その2

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

先日、ついに恐るべき発表がされてしまいましたね。

 

なんとこの「歌舞伎町探偵セブン」、

10月15日を皮切りに順次イベントが終了することが決定してしまいました。

 

公式ホームページによると終了日は、

事件0 2018年11月26日(月)
事件1 2018年10月15日(月)
事件2 2018年11月26日(月)
事件3 2019年2月11日(月)
事件4 2019年1月14日(月)
事件5 2018年10月29日(月)
事件6 2018年10月29日(月)

 とのこと。

 

よりにもよってこのイベントの代名詞的な「事件1」が最初に終わってしまうとは・・・・・・

 

残り1ヶ月あまりとなったため、これから足早に雑感を記していく所存です。

 

 

●事件0「TOHOシネマズ怪文書事件」

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「事件0」は2018年5月21日から追加公演されている、本イベントの「入門編」に位置づけられる演目である。

 

歌舞伎町探偵セブンは【あの】歌舞伎町を歩き回るイベントというだけあって、何やら恐ろしげなトラブルに巻き込まれやしないかという一種の恐怖感が付き纏う催しだと言える。

 

それはビビリで腐れボッチな筆者としても例外ではない。

 

2017年冬からイベントが始まっていたことを知っていたのに参加を見送っていたのは、歌舞伎町という町にいかがわしいイメージ(という名の偏見)を抱いていたからである。

 

しかし、この「事件0」入門編はそんな歌舞伎町散策の初心者にとってもイベントに参加しやすいよう、周遊&謎解きにかかる時間は1時間程度に設定されている。

 

とはいえ、歌舞伎町探偵セブンではことあるごとに指定された店でキャスト(=運営スタッフが演じる物語上の人物)と会話しなければならない。

 

それは「事件0」でも例外ではない。参加者は「事件の捜査をする探偵」として事件の状況や関係者の名前などを随時チェックしてから会話に臨む必要がある。

 

入門編だと甘く見ていると、いざキャストとの会話の際にアタフタとしてしまい、キャストの言い分に首を振るだけの不様を晒すハメになりかねない。

(それこそ筆者のように!)

 

いろいろな意味で、この「事件0」は後の「事件1」~「事件6」すべてに共通するイベントの楽しみ方を凝縮したちょうど良い難易度の演目であったといえる。

 

惜しむらくは、「事件0」は平日限定開催であるということか。

 

これには、歌舞伎町探偵セブンのイベント上の制約が関係している。

 

というのも、このイベントでは歌舞伎町1丁目付近を縦横無尽に歩き回るのだが、立ち入る店舗というのは事件によって共通していることがあるのである。

 

「事件0」はイベント初心者を対象に設計されているため、要所要所に「事件0」だけの特殊演出が用意されている。

 

それを他の事件の捜査のために店へ訪れた参加者が見聞きしてしまっては、多少なりとも興醒めするというもの。

 

そこまで考えてゲーム設計されていることを、すべての事件を捜査し終えた今だからこそわかる。

 

筆者はこの「事件0」を足がかりとして本イベントへの参加を決意したのだが、わざわざ有給休暇を取ってまで参加した価値はあったと断言できる。

 

いきなり2時間以上も歌舞伎町を歩き回るのが怖いorダルイということであれば、「事件0」からイベント参加を試みるのも悪い選択ではないのではないだろうか。

 

・・・・・・と、これだけだとイベント自体の感想としては薄いので、 最後に一言だけ付け加える。

 

懸命なる読者諸氏の皆々様方、「ぼったくり」にあっても慌てることなかれ。

 

どこにでも活路はあるというものである。

 

 

歌舞伎町探偵セブン (first season) その1

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

謹啓、読者諸氏の皆々様方、お久しぶりでございます。

 

ここ数年、泥沼のようにはまりきってしまった某スマホゲームにより余暇で筆を執る余裕がなくなってしまい、猛省するばかりです。

(楽しすぎるけれど、親しい人ほどオススメできない。油断すると生活が破綻しかねないし・・・・・・)

 

今回はリハビリをかねて、とある周遊型イベントについての雑感を記したいと思います。

 

 

そこは歌舞伎町の外れにあるビルの二階。「セブン探偵事務所」という薄汚れた看板が道行く人の目を引く。

この街ではどんな依頼が探偵事務所に持ち込まれるのか…あなたは、ちょっとした好奇心でその事務所の扉をたたく。

待ち受けていたのは、顔に包帯を巻いた怪しい男。所長を名乗るその男は君の顔を見てこういった。

「君か?この街で探偵になりたいって変わり者は?いいだろう、この事件を全て解き明かしたら、君をセブン探偵事務所の7人目の探偵として受け入れよう」

差し出された6つの依頼書はどれも警察に相談できないワケありな事件ばかり。

しかし、やっかいなのは事件内容だけではなかった。共に捜査をする探偵達は全員クセ者。元ヤクザ、不敗のギャンブラー、金庫破り、天才科学者とハッカーの兄弟、変装の達人にしてアイドル。

あなたは、事件の依頼を引き受ける。その事件の行き着く先に歌舞伎町の大きな闇が隠されていることも知らずに…

これは、愛と金と欲望と謎の渦巻く歌舞伎町で、あなた自身が探偵セブンの最後の探偵になるまでの物語。

 

mysterycircus.jp

 

  • 概要

「歌舞伎町探偵セブン」は2017年12月9日に歌舞伎町の一角でオープンしたアミューズメント施設「東京ミステリーサーカス」にて好評開催中のイベントである。

 

参加者は番外編も含めた8つのストーリーの中からひとつを選択し、およそ2~3時間かけて濃密な謎解きアドベンチャーを体験することができる。

 

「東京ミステリーサーカス」の運営はかの「リアル脱出ゲーム」で有名な株式会社SCRAPが執り行っている。

 

念のため、「リアル脱出ゲーム」を知らない読者諸氏に向けて、株式会社SCRAPが手掛けるイベントの特徴について簡単な説明をしておく。

 

株式会社SCRAPが定期的に開催する「リアル脱出ゲーム」は、特定の施設ないし場所の中に閉じ込められたという設定でイベントがスタートする。

 

その場所から抜け出すためには、主催者が提示した手がかりを元に問題やパズルを解く必要がある。

 

そうして次から次へと現れる謎をすべて解き明かしたとき、ゲームクリア=脱出が成立する・・・・・・というのが往々にして共通するイベントの特徴である。

 

しかし今回紹介するイベントは「リアル捜査ゲーム」という副題がついており、コレまでのイベントとは一線を画する。

 

というのも、「歌舞伎町探偵セブン」の参加者は探偵事務所の新人探偵になりきって歌舞伎町を歩き回り、自分の足で手がかりを探してくる必要があるのである。

 

場合によっては指定されたキャバクラやホストクラブなどに出向き、そこで待ち受けるキャスト(運営スタッフの扮する物語上の人物)に話しかけ、聞き込みをしなければならないという本格仕様っぷり。

 

これは人付き合いやらコミュニケーションやらが苦手な人には若干厳しいものがあるものの、キャストが徹底して役割を演じて話をしてくるため、早々に慣れることができるはずである。

 

まるでロールプレイングゲームの主人公にでもなった気持ちで参加者も新人探偵になりきれれば、自ずとこのイベントの楽しさを体感できるだろう。

 

なにより、魑魅魍魎が跋扈してもおかしくない【あの】歌舞伎町を歩き回るのである。

 

いくらイベント会社が営業前のクラブなどを借り受けているとはいっても、本物の水商売の店を巡り歩いていくのは何とも言えない独特の高揚感を与えてくれる。

 

ただし、このイベントは先に述べた性質上、一部のストーリーを除いて18歳未満は参加できないことになっている。

 

良くも悪くもオトナな街である歌舞伎町を歩き回るには、ティーンエイジャーには危険すぎるということなのだろう(適当)。

 

 

 

さて、今回はイベントの概要だけで文字数がいっぱいになってしまった。

 

各種事件についての感想(ネタバレなし)については後日書き記すこととする。

 

ただ、このイベントの公式ホームページを見てみると、

ストーリー解説の部分に「第一章(first season)」の文字が見えるのである。

 

すべての事件を体験した参加者なら想像がつくことではあるが、

この物語にはまだ続きがあると思われる。

 

回収されていない伏線がいくつも残ったままなのだ。

 

だからこそ、公式情報にて「第二章(second seadon)」が公開されるまえにコレまでのストーリーをおさらいする意味も込めて、早々に雑感を書き記しておきたい。

 

そして、何かの間違えでそれらの記事を目にしてしまった読者諸氏がこのイベントに参加ないし口コミで広めてくれれば、一ファンたる私にとってこれほどうれしいことはない。

 

大逆転裁判2 その5(終)

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***注意おわり***

 

随分期間が開いてしまったが、ようやくクリアできたのでサクッとメモ程度に書き残しておく次第。

 

グレグソン刑事の死の謎に迫る龍ノ介はやがて、事件の裏に大英帝国を恐怖のどん底に突き落とした殺人鬼「プロフェッサー」の影を見る。一方、かつて父親大英帝国の司法に殺された亜双義は検察官の立場からバンジークス卿を追いつめていく。数々の策謀と狡知が張り巡らされた事件に、龍ノ介は最後の「覚悟」を決める・・・・・・などの筋。

 

 

「プロフェッサー」事件の真相自体は、登場人物が出揃った段階でほぼ予想ができていたのでそこまで大きな驚きはなかった。

 

とはいえ、事件の真相を暴きだす最後の証拠が、ずっと肌身離さずもっていた「狩魔」に隠されていようとは。真犯人たちもさすがに異国の刀剣の仕組みまでは理解できなかったのだろうか。

なんにせよ10何年ものあいだ証拠品が眠り続けていたのは幸運というほかない気もするが。

 

それにしてもゲームをプレイしている最中に気付いたのだが、本作の4~5章の事件は初代「逆転裁判」の第4章の事件をアレンジしたような展開になっていた。

 

ライバル検事が被告人となり、司法のお偉いさんが事件を裏から操っていたという展開など、大枠はほとんどそのままである。換骨奪胎である、とも言えるけれど。

 

真犯人の小物ぶりは「逆転裁判4」に匹敵するものがあって多少残念ではあったものの、前作「大逆転裁判」よりも真犯人がしぶとくなかったのはプレイしていて間延び感がなくてよかったと思われる。

 

ただまあ、今作に関して言えば途中から「陪審員裁判」独特の緊迫感がなくなってしまったのは否めない。判決にいたっても、被告人以外が犯人である決定的な証拠がでてきてしまったことで裁判長から「無罪の表決をせよ」と命じられる展開だったり、事件が特異すぎて一般公開できないからという理由で「秘密裁判」になってしまったりと、今作の独自性が失われてしまったことは少しもったいない気もした。

 

とはいえ、物語自体はすべての伏線を回収しきってくれたのでだいぶ満足することができた。

 

まあ、最初から前編後編で売り出すといっておけば前作であれだけ失望しなかったのにとも思うけれど。

(もっといえば最初から8~9章構成で一本のソフトにまとめてしまっても良かった気もするが、メモリ容量的に難しかったのだろうか)

 

なんにせよ、これで長かった「大逆転裁判2」も無事にクリアである。

 

積んであるゲームやら録画しっぱなしのアニメに映画もあることだし、はてさて次は何を見聞きしようか。

 

絶賛検討中である。

大逆転裁判2 その4

***注意はじめ***
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***注意おわり***

 

世間が台風で大混乱の中、一人ぽつりとゲームをして時間を潰す幸福。

 

ある日、龍ノ介と寿沙都の元にやってきたジーナが驚くべき事件を口にする。二人がこれまで幾度となく係わってきたグレグソン刑事が町外れのアパートで殺害されたのだという。しかも、その被告人として逮捕されたのはあのバンジークス検事である。龍ノ介はバンジークス検事の弁護を引き受けたいと願うものの、当の本人から拒絶されてしまう。そんな中、事件を担当する検事が決まったという。それは、龍ノ介の親友であり、死の淵から蘇った亜双義一真だった……という筋。

 

いよいよ話も大詰めに近づいてきているらしい。

 

第3章にて明かされた、大英帝国史に残る殺人事件「プロフェッサー事件」。

 

その犯人として逮捕され、処刑されたのは亜双義の父親だった。

 

しかし実際には彼の処刑は執行されず、刑務所や監察医を巻き込んでの大々的な脱獄が実行に移された。

 

それにも係わらず、亜双義の父親は脱獄直後に何者かによって殺害された。

 

過去の事件を調べるため、亜双義は司法留学生に選ばれ、大英帝国に渡ろうとした。その途中で事件に巻き込まれ、一時は死んだものと扱われていたが、記憶を失ってでも執念によって単身大英帝国にたどり着いたのだという。

 

真実を知りたいという欲求と、バンジークス卿に対する深い憎しみ。それらが亜双義を強烈に動かす原動力になっていたのだろう。

 

それにしても、あのグレグソン刑事が殺害される展開は予想していなかった。

 

正直、これまでの話のなかであの刑事がバンジークス検事が裁ききれなかった悪人を秘密裏に消している「死神」の正体なのでは、と思うことは何度かあった。

 

その予想があたっていたことを驚くと同時に、殺害の実行犯が前作第一章の犯人だった英国人の女性だったことも衝撃的である。

 

第4章は探偵パートで終わるという、過去のシリーズでも類を見ない幕の引き方をした。

 

次の第5章で最終章ということだが、はたしてこの広げすぎた風呂敷をどう畳んで見せてくれるのか、楽しみである。

 

……それにしても、まさかホームズの助手として実際に行動を共にしていたのが寿沙都の父親だったとは。いたるところでオリジナリティを出してくれるものである。

大逆転裁判2 その3

***注意はじめ***
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また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

のろのろ進行のすえにようやく3章をクリアした次第。

 

全世界から何千万人という観光客が訪れる一大イベント、「英国万博」。万博の催しの一つ、近代科学による研究成果を発表する場で事件は起きた。実験の出資者でもある被害者が死に、その遺体がイベント会場から離れた場所へと「瞬間移動」してしまったのである。しかもその実験を発表した科学者はバンジークス検事の旧友なのだという。事件はただの事故だったのか、それとも何者かによる殺人なのか。そもそも実験は本当に成功したのか。警察や検察、国家の思惑も絡む大事件に、龍ノ介は巻き込まれていく……といった筋。

 

各章の冒頭にて「シャーロックホームズの冒険」の一節風な音声付のモノローグが入るのは前作から同様だったが、今作では物語の重要な場面にて音声が入ることがたびたびあった。

 

第3章の冒頭での実験風景も音声入りで展開された。

声優に詳しくない諸氏であっても、この声を聞き間違えることはないだろう。いわゆる「バーロー」の人(高校生の方)である。

 

いかにも胡散臭い科学者というのが今回の被告人だったわけで、正直定期的にイライラさせられた。なんというか、根拠のない自信を持っている人というのはどうにも人を不快にさせる要素を持っているのだろう。本人に悪気はないのだろうが……

 

それはともかく、今回の章は本当にいろいろな進展があって驚かされた。

 

寿沙都が日本から大英帝国に戻ってきたこと。

 

前作の被告人でも合ったジーナ・レストレードがグレグソン刑事の推薦によって刑事見習いに転進していたこと。

 

バンジークス卿が日本人を憎む理由に、日本人が引き起こした事件が絡んでいたということ。

 

そしてなにより、前作で死んだと思われていた龍ノ介の親友・亜双義一真生きていたことなどなど。

 

もうこれでもか、というほどいろいろな情報を詰め込んでいたという印象である。

 

そのせいで、事件自体の色合いはだいぶ薄らいでしまった感もあった。

 

現代を生きる我々にとって、瞬間移動術なるものはまだ実現不可能だということは常識である。だからこそ、今回の事件に何らかのトリックが使われているということは自明といえる。

 

そこをもうちょっと膨らませても良かった気もするが、裁判の途中から今回の事件のことよりも、バンジークス卿に関わりがある過去の事件の方に重きが置かれてしまったのがやや残念ではあった。

 

事件の真相としては驚かされたものの、ちょっと唐突な感もあったし。てっきり今後の物語の鍵を握る準レギュラーだと思っていた人物が殺人の真犯人だったとは、驚きを通り越して唖然である。

 

うーむ、4章ではいよいよ、かつて大英帝国を震撼させたという「プロフェッサー事件」とやらの謎を解くことになるのだろうか。

 

シャーロック・ホームズが出てきて「プロフェッサー」とくれば、当然モリアーティ「教授」だと思ったのに、その「プロフェッサー」は日本人だったというし。

 

生きていた亜双義のいう「使命」とやらも、この「プロフェッサー事件」に何か関係があるようだし、とにかく伏線が張りまくられていて先が気になって仕方がない。

 

次はいつ、このブログに戻ってこれるのやら……