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悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

シンドラーのリスト (2009年時)

記事の練習のため、昔の映画鑑賞記録(2009年)からひとつを丸写しさせていただきます。

 

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

DVDだと2DISC計3時間越えの超大作。スピルバーグ監督の初のアカデミー賞受賞作だとか。

 

主人公オスカー・シンドラーは野心的なドイツ人実業家。弁舌あざやかな交渉術と賄賂を駆使して軍部に取り入り、大儲けしようと企んでいた。

 

彼はまず倒産しかけた会社を買収し、軍部に戦場で使う食器類を専売する計画を立てる。その際、会社の経営者としてユダヤ人会計士イザック・シュターンを採用する。

 

シンドラーからの誘いに乗り気でなかったイザックだったが、何だかんだで協力することに。イザックは会社の労働力として賃金が安くで済むユダヤ人たちを採用するという建前で、ナチスからの迫害を受けていたユダヤ人を救っていった。(この段階までは、イザック一人の功績であると言っていい)

 

シンドラー社の経営が軌道に乗ったころ、シンドラー社のある地区に新しい提督としてアーモンが就任する。アーモンの統治によりユダヤ人への非人道的行為が過激化していき、彼はまさしく殺人狂とも言うべき虐殺を繰り返していく。やがてアーモンの標的としてシンドラー社の社員までもが収容所送りにされてしまう。

 

会社発足の当初は利己主義に走っていたシンドラーだったが、従業員たちに感謝されたり、見知っていたユダヤ人の子どもの死体を目の当たりにしたことで心を改める。何とかしてユダヤ人たちを助けたいとの考えに至ったシンドラーは、イザックと共にシンドラー社ユダヤ人社員を救うためにとある「リスト」を作る……という筋。

 

 

 

 映画の九割は白黒の映像で展開されるが、正解だと思う。ユダヤ人が次々に銃で頭を吹き飛ばされていく様をカラーで見ようものなら気がおかしくなってしまうかもしれないからである。それくらい、ナチスのやったことは非道だという描かれ方をしている。

 

この映画を見るまで、シンドラーは大勢のユダヤ人を率先して救った聖人君子のような紳士だと思っていたが、そのイメージが誤りだったと認識させられた。結局のところシンドラーは金が欲しかっただけの成金である。ただ、彼に幾許か残っていた良心が死に目にあっていたユダヤ人たちを助けさせただけの話だ。

 

映画の最後でシンドラーは、自分が助けたユダヤ人たちから感謝の言葉を受け取るが、「もっと救えたのに自分は何をしていたのか」と泣きながら後悔する。確かに、行動するのが遅すぎた感はあるが、彼がいなければ1200人余りの従業員たちはそのままガス室に送られていたのもまた事実。それまでのシンドラーの言動を偽善と見るか慈悲と見るかで、彼に対する評価は大きく変わるかもしれない。

 

なお、シンドラーたちを苦しめ続けたアーモン総督は、戦後にしっかり絞首刑にされていた。視界に入ったユダヤ人を気分で銃殺したり、建築現場で貴重な見識を持っていた女性技師を何の理由もなく殺害したりと非道のかぎりを尽くしていたわけだから、当然の結末ではある。

ただ、最期の瞬間まで「ハイルヒトラー!」と叫びながら踏み台にしがみ付く姿はちょっと怖かった。

 

 

総括すると、ひとまず一生に一度は見てもらいたい作品のひとつではあると思う。