5章を読了。恐れていた事態が現実となってしまいました。
***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
エッグ・ベネディクト(偽名)の正体は、ルバート・クログレイという電気通信士だった。
結論から述べると彼が犯人だったわけだが、なんとも手ごわい相手だった。
というよりむしろ、しつこい相手だった。
彼の犯行を直接示す証拠が何一つなく、状況証拠の積み重ねで嫌疑を固めていくしかなかったため、いちいち反論が返ってくるのである。
それに付け加えてバンジークス卿も厄介な存在だった。彼は成歩堂の推理を先回りしてあらかじめ可能性を潰すような戦法で攻めてくることが多く、証言の矛盾を見つけるのが困難な場面が数箇所あった。
先日、バンジークス卿が大したことがないように感じたと述べた気がするが、撤回してもよいかと思ったほどである。とにかく、5章の裁判パートはもつれにもつれる論戦となった。
今回の事件は、真犯人の正体も動機も判明したため、事件単体で見ればさっぱりと終わってくれた。
また、クログレイの正体が判明したことと連なって、謎のままだった2章の事件の真相も判明した。
5章の探偵パートの途中から、被告人だったメグンダルが真犯人だったということはわかっていたが、何故あのような事件が起こったのかという説明と、メグンダルの動機もクログレイから説明があったのである。
とりあえず2章の伏線は回収できたので安心した……かといえば、実はまったくそうではない。
なんと衝撃的なことに、本作はこの5章で完結なのである。
1章の事件の犯人は結局どうなったのか、
4章でちらっとだけ出てきた奇抜な人物は誰なのか、
ほとんど出番のなかったヴォルテックス卿が成歩堂に尋ねた「亜双義を継ぐ意志はあるのか」という言葉の真意はなにか、
5章で寿沙都がアイリスの未発表原稿のタイトルを知っていた理由はなんなのか、
ついでにいうと、5章終盤で明らかになった大英帝国の秘密通信の内容に亜双義の名が含まれていたのはなぜか、
どうしてバンジークス卿はあんなにも日本人を憎んでいるのか、
数えるだけで面倒くさくなるほど多くの伏線が丸投げされたまま、
「これで僕の大英帝国の初めての冒険は終わった」
という成歩堂のcvでゲームが終わってしまったのである。
これはさすがに、もう擁護しようがない。
残りはDLCのショート・ショートを読み進めてから記したいと思う。