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悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

カルタグラ ~ツキ狂イノ病~ (その4)

和菜ルート(TRUEルート含む)における1幕・2幕のストーリーについての感想を残したいと思います。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

イノグレ作品すべてに言えることだが、この会社が発表するゲームは舞台となる時代の雰囲気作りが抜群に上手い。

 

原画家杉菜水姫氏による美麗なキャラ絵はもとより、特筆すべきはMANYO氏によるBGMにあると思われる。

 

戦後間もない日本における寂れた、廃れた空気。一方で、復興に向けて活気付いている街中の空気。おちゃらけた登場人物のやり取りを和やかに表現したかと思えば、犯罪者の悪意を狂気満点で奏であげるのである。

 

カルタグラのサウンドトラックは現在では入手困難な逸品ではあるものの、運よくめぐり合うことがあるならば読者諸氏に絶賛お勧めできる代物である。

(筆者は当然のように入手済み。というより、全作品のサウンドトラックを確保している)

 

 

カルタグラの1・2幕では、カットインによるCG展開を多用して、秋五たちの行動を動的に見せる工夫がされている。

暴漢に襲われている和菜を助けにトンファーを振るう冬史の姿も、カットイン描写で巧みに演出されていた。10年前、PS2でこのシーンを見たときに「冬史の姉御おおおおおおお!!!!!」と本気で惚れそうになったのを記憶している。

いやはや、本当に格好いいですよね、冬史さん。

 

 

さて、ゲームの外観についての話はここで一旦やめにして、そろそろストーリー自体に目を向けようかと思う。

 

 

南部戦線から生還した秋五は戦後の一時期、刑事として働いていた。

それが軍で世話になった有島刑事の伝だったのかは説明がなかったが、秋五が彼に恩義を感じていることは語られている。

 

この間に秋五はとある問題を引き起こして私立探偵に転向してしまうのだが、PC版ではそのことに関する説明は特にない。これについてはPS2版で新規収録されたシナリオで明らかにされている。(PS2版とPC版の比較をいずれ行いたいと思うので、それまでは触れない)

 

秋五の探偵としての実力は、可もなく不可もなくといったところか。

そもそもが刑事仕込の追跡専門の探偵のため、ホームズやらポアロのような事件専門の探偵とは趣旨が異なるから、比較するのもおかしな話ではあるのだが、ミステリーものの主役を張るには力不足だった模様。

 

秋五のスペックが凡夫にすぎないせいか、この物語における探偵役やヒーロー役は別のキャラクターが担っている。前者は妹の七七、後者は非合法組織「死の腕」の大幹部・冬史である。

 

1・2幕に限らず、おいしいところはだいたいこの二人が持っていってしまうため、秋五はもっぱら狂言回しに徹する構図になってしまう。それが残念といえば残念ではある。(なおPS2限定版に付属されたドラマCDで、七七から直接このように指摘されている)

 

オマケにPC版では定期的にサブヒロインとのHシーンが入るため、「ろくに推理もしないのにエロいことばかりしてんじゃねえ無能が!」と思ってしまうユーザーが居ても、ある意味仕方ないかもしれない。

 

ただ、私はPS2版からの参入者のため、特に秋五が無能であるとは思わなかった。PS2版は性的描写がカットされているかわりに、PC版のストーリーを補完するエピソードが追加されている。

そのため私の秋五に対する印象は「努力が実らない、気づけない男」といったところである。

(……もしやこれを無能というのだろうか?)

 

 

今宵はこれまで。

何だかんだで大晦日である。

読者諸氏におかれましては、良いお年を迎えられることを祈る次第である。