悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

刑事バレリーノ

先日録画したものを鑑賞いたしましたので、一応記録にとっておきたいと思います。

 

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

 

●あらすじ

金田一少年の事件簿」「サイコメトラーEIJI」ほかの
堤幸彦監督×櫨山P×ジャニーズの最強タッグが
完全オリジナル作品で15年ぶりに復活!!
画面から目が離せないスピード感!!
アッと驚くドキドキ感!!!笑いも満載!!!
前世が白鳥?の新米刑事が巻き起こす
一大スペクタクルが幕を開ける!

輪廻転生?衝動殺人?
そこには意外な真相が…!

動機なき2つの殺人事件。
だがそれぞれの事件の容疑者は、犯行直前、同じ言葉を口にしていた。
「オモチャ買ってくれないの・・・?」
一見無関係な2つの事件が、
前世を引き出す催眠をかけられた
容疑者の証言によって交わり始める。
なんと2人は前世で兄弟だった!?
さらに容疑者2人が語った場所からは
40年前に行方不明になった兄弟の白骨死体が・・・!!
事件に挑むのは、
自分は白鳥の生まれ変わりだと信じ、
バレエに命を捧げてきた新米刑事!!
それなりに優秀だがどこかイラッとくる・・・。
このドラマは前世の記憶で謎を解く
事件解決エンターテインメントです。

あなたは前世を信じますか?

 

 

●感想

2016年1月9日に日本テレビで放映されたスペシャルドラマ。

 

ドラマのために書き下ろされたらしいストーリーとのことで、何となく見てみることに。

製作陣に「金田一少年の事件簿」「サイコメトラーEIJI」のスタッフが参加していると知ったのはドラマを見終わってからのことだった。事前にこの情報を知っていたら、ドラマに対する期待値が跳ね上がっていた恐れがある。どちらもTVドラマ・漫画ともに楽しみながら見させてもらった作品だからだ。

 

主演は中島裕翔氏。彼の出演作品の中で拝見させてもらったものは、2015年1月にフジテレビで放送されたTVドラマ「デート 〜恋とはどんなものかしら〜」が最後だと思う。

本作が初主演らしいが、元バレリーナの刑事役を見事に怪演してくれた。煽り文どおり、真面目なのだがどこかイラっとくる言動というか仕草をうまく表現していた。あんな刑事に聞き込みをされたら誰だってしかめっ面になりそうなものである。そのあたり、脇を固めていた俳優陣も絶妙な反応をしていたので満足である。

 

ただ、ほとんど事前情報なしに本作を見ていたため、筆者はこの物語が風変わりな刑事によるミステリーだと誤解していた。実際にはミステリーの皮を被ったファンタジーに近い内容である。

無論、それが悪いと言っているわけではない。誤解していた自分が悪いのは言うに及ばず。

 

「前世の記憶が人を殺人に駆り立てる」という着想はなかなか興味深い設定だったが、それならどうして今回に限り立て続けに事件が起こったのかという疑問は残る。

メンタルケアの業界では「前世診療」なるものはまだ確立されていないと劇中の女医も言っていた。しかし、本作のように何人もの人が「前世の記憶」を動機として殺されてしまうと、この世界ではそんなにも簡単に「前世の記憶」が今を生きている人の感情を支配して殺人衝動を掻きたてるのかと不気味に思えてしまった。発覚していないだけで、もっと多くの事件に「前世の記憶」が関わっているかもしれないし。

 

続編をつくるとしたら、やはりファンタジックな事象が背景にある事件を扱うという方向性になるのだろうか。同種のドラマとしては近年ではTBSで放送された連続ドラマ「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」が記憶に新しい。あれはあれで面白かったため、その方向性でも文句があるとまでは言わない。

 

ただし、設定ありきでツッコミどころを残すようなストーリーは再考の余地があるかもしれない。