引き続き、本日鑑賞したドラマの感想をしたためたいと思います。
***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
第2話は、「いろはカルタ」になぞらえた殺人事件だった。
老舗おもちゃメーカーな社員が工事現場で転落死した。捜査一課は事件を事故と決め付け、調書をとるなどの面倒ごとを宅間たちの部署である総合事犯対応係(仮称)へ押しつける。
事件現場の監視カメラを確認した宅間は、散歩途中に逃げ出した犬を追いかける被害者の横に不審な飛来物が写りこんでいることに気がついた。被害者は事故ではなく、何ものかによって穴に落とされた可能性を指摘する宅間。
事件後、被害者の遺品を調べると、そこには「い」とだけ書かれた1枚の札が出てきて――という筋。
聞き覚えはあっても詳しくは知らなかった「いろはカルタ」。当然、江戸版と京都版ほか地方別にさまざまな種類があるなどということも初耳である。
初めて知る諺もあり、純粋にタメになる回であった。
「月夜に釜を抜かれる」
【読み】 つきよにかまをぬかれる
【意味】 月夜に釜を抜かれるとは、ひどく油断すること、不注意きわまりないことのたとえ。【注釈】 「抜かれる」は、盗まれるという意味。
明るい月夜だから盗まれる心配はないだろうと思っていたら、大事な釜を盗まれてしまうことから。
『江戸いろはかるた』『上方(京都)いろはかるた』の一つ。
「月夜に釜を抜く」「月夜に釜をとられる」「月夜に釜」ともいう。
http://kotowaza-allguide.com/tu/tsukiyonikama.html
それにしても、「追い出し部屋」などという愚策を行う企業が未だにいるとはオドロキである。もちろんこれはドラマ用に演出したものだろうが、どうみても囚人の収容所である。会社を守るという建前のもと、自分の地位だけを守りたい一心でこのような非人道的行為に手を染めるすべての経営陣を心底軽蔑する。あなたがたは自分が損をしないためなら他人を地獄に叩き落しても良いと教わって生きてきたのかと、他人を見下したその顔でよくも恥ずかしげもなくエリート面して表を歩けるものだと言ってやりたい。
こんなところに押し込められたら、自分をこんな目に合わせた連中に復讐してやりたいと思って当然である。恨まれる側の人間は謹んでその恨みを一身に背負って死んでいただきたい。それ以外に償う方法はない。
とはいえ、今回の事件の犯人は追い出し部屋に送り込まれた張本人ではなく、その人の知人であった。これは少々動機として弱い気もするのだが、そこは宅間がきっちり説き伏せてくれた。結局のところ今回の犯人は、それっぽい大義名分があったから事件を引き起こしてみたかっただけなのだろう。そうでなければ、親でも子でも恋人でも命の恩人でもない赤の他人のために人殺しまでする人間なんていない。少なくとも、筆者の倫理観ではそう考える。
本作の世界観では、「犯罪が好きで好きでたまらない人間」というのが一定割合いるということになっているらしい。その経歴の特殊さゆえか、宅間はそのような犯罪者たちを引き寄せてしまうのだという。
事件ものにありがちな、「探偵=死神」のような発想だが、あながち外れてはいないかもしれない。その物事にまったく興味のない人には、どんなものも素通りしていくはずだから。
今回の話は宅間を警視庁に引き抜いた滝道氏が不参加であった。ドラマスペシャル4で初登場した氏が今後どのように物語りに絡んでくるのかはわからないが、若干キャラが「警視庁捜査一課9係」の青柳刑事と被っていると思うのは気のせいか。
なんいせよ、今後の展開に期待するほかない。