悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

ヒガンバナ 第5話

録画したものを鑑賞いたしましたので、記録をとりたいと思います。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

第5話は、監察医である長見薫子(知英)の妹がバレエのプリマに選ばれた。しかしその夜、妹は何者かによって稽古場に閉じ込められてしまい、翌朝アナフィラキシーショックを起こして倒れているのを発見された……などの展開だった。

 

アナフィラキシーショックというと、「スズメバチに2度刺されると死ぬ」といった例が有名だが、食物性のアレルギー症状にもアナフィラキシーという呼び名を使うとは知らなかった。

 

長見監察医の妹さんの診断名は、食物依存性運動誘発アナフィラキシーだった。

彼女は生まれつき小麦を食べられない体質らしく、パン屋に入ることすらできなかったらしい。そんな彼女が何者かによって小麦を摂取させられた。この病気はアレルギーの原因食物を食べてすぐに発症するものではなく、原因食物を食べたあと何時間以内に運動をしたことが原因で起きるらしい。食べるだけでも危険だが、食べた後に運動することによって、最悪の場合、死に至ることもあるという。なんとも恐ろしい、時限爆弾のような病である。

 

 

今回の事件は、嫉妬を題材としたドロドロの展開だった。

 

教え子の才能を恐れて、体面のために脅迫事件をでっち上げる教師。

下級生の昇格を憎んで、相手を稽古場に半日も閉じ込める先輩。

友達の活躍を妬んで、アレルギー症状が起こるとわかっていながら原因物質を稽古場に仕込む友達。

 

 

もうね、全員死んでしまえ!!!!!

――と何度叫びだしそうになったかわからない。

 

 

人間社会に妬み嫉みはつきものとはいえ、たった一人の心優しい人間に対してよってたかって影から攻撃するとは、何たる卑怯な振る舞いか。これら三者の自分勝手で醜い思惑が重なり合うことで、長見監察医の妹さんはあやうく死にかけたのである。謝るだけですむ話ではない。このような不心得者は社会的に抹殺されて然るべきだろう。事件後の展開について、誰それが逮捕されたとかの説明がまったくなかったあたり、今回の話は残念な結末であった。

 

宮刑事は今回の事件を指して、

「人と人とを比較しても仕方がない。自分の嫌いなところを認められれば、前に進める」

といった趣旨の発言をしている。

 

それができれば誰も苦労しないし、こんなにも醜く歪んだ世界にはなっていないのだけれど。この世界から歪みを取り除こうとしたら、おそらく大半の人間を削除しなければならなくなる。確か、「デスノート」だか何かで言っていた気がする。

 

 

さて、今回はいつにもましてフリージャーナリスト菊池の出番が多かった。いつも来宮刑事を追い掛け回し、あるいは先回りしているが、いったい彼はどうやって来宮刑事の動向を調べているのか。自室と思われる場所に来宮刑事の隠し撮り写真が大量に貼り付けてあった件といい、不気味な存在である。

 

話の終盤で、そんな菊池の少年時代の写真と思しきものが事件現場から発見されたことで、菊池にまつわる話が一気に展開しそうな予感がする。

 

今後の展開に期待である。