悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

怪盗山猫 第6話

特に語ることもないため、記録をとりたいと思います。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

第6話は、「ウロボロス」を名乗る暴力集団が世間を騒がせる中、侠武会組長の中岡(笹野高史)が襲撃された。襲撃者の一人がカタコトの日本語を喋っていたことから、「ウロボロス」はアジアンマフィアの手先ではないかと予想された。このままでは侠武会とアジアンマフィアとの抗争が勃発しかねないとして、中岡は山猫に「ウロボロス」の正体を突き止めるように依頼する……などの展開だった。

 

役者が増えてきたため、一度整理してみたい。

 

まずは、山猫、勝村、真央、里佳子、関本刑事らの「山猫一派」。

東京を裏から牛耳るヤクザ、「侠武会」。

東京への勢力拡大を目論むアジアンマフィア「サーペント」。

そして、都知事となった藤堂と、彼の背後にいる日本最大のフィキサー「ユウキテンメイ」。

 

これらの人物の思惑が重なり合い、今後どのように展開していくのかはまだわからない。

 

とりあえず今回の話に関していえば、「ウロボロス」のバックにいるのが都知事の藤堂である可能性がでてきたということ。

彼は東京を完全に掌握するために、余計な裏組織を根こそぎ壊滅させようとしている節がある。終盤における関本刑事との会話で、「ウロボロス」が藤堂をも狙っていると思わせる脅迫文が出て来たが、はたしてあれが自作自演ではないといえるか。

 

今回の話では、パワー系捜査官である犬井があと一歩のところまで山猫を追いつめた。彼は彼で、山猫に対して私怨に満ちた追跡の動機があったらしい。かつて山猫は代議士の不正を暴いたが、それによって代議士とその妻が自殺してしまい、小さな子どもが置き去りにされてしまったのだという。

犬井は言う。警察に任せておけば、少なくとも誰かが死ぬ最悪の結末だけは避けられた、子どもは一人きりになることはなかったと。

これに対し山猫は、警察と代議士はどっぷりと癒着していたため、警察がその代議士の不正を暴くことはありえなかったと告白。警察に任せたところで、山猫が代議士の悪事を世間に暴露しなければ、不正は正されなかったのだ。

 

これは難しい問題である。誰かの悪事を暴けば、その悪事を働いた本人は罰せられて終わるかもしれない。だが人間は一人きりで生きているわけではない。その悪人が裁かれることによって、巻き添え的に被害を被る人間が必ず出てきてしまう。その代表格が家族である。

では、まったく無実で無関係の家族の幸せを壊さないために、ある人物の悪事は野放しにされるべきかというと、それは極端な結論であろう。罪には罰を与えて対処するのが法治国家の最低限のルールである以上、その人物は裁かれなければならない。これに関しては異論を差し挟むべきではない。

ある人物が裁かれることにより、別の人物が被る二次被害については、現状の仕組みでは天災に見舞われたと思って諦めざるを得ない。だれも巻き添えになった人々を救う義務がないのだから、残念ながらそのような結論になってしまう。恨むなら、他人を踏みつけにしてまで自分だけが得をしようとした罪人を恨むしかない、ということになる。

(もっとも、日本のマスゴミにおける犯罪者の身内をストーキングする行為に関してはこれとは別問題である。彼らは火のないところに煙をたたせ、報道の自由を盾に風評被害を生み出すことしかしない。これは天災ではなく、人災である。このような無責任な仕事ぶりに対してこそ、世論が一丸となって批判し、彼らを破滅に追い込むべきであろう)

 

 

それにしても、この物語では勝村はいつもいつも外れクジを引かされる損な役回りが多い。いつも通り無理矢理に標的への潜入を指示され、いつも通りボッコボコにされた。しかも、ついに指名手配犯になってしまった勝村。次回の話で自分の無実を証明できるのだろうか。

 

また、アジアンマフィアの女スパイからのタレコミにより、山猫は関本刑事と藤堂がつながっていたことを知る。これにより彼らの共闘関係にひびが入るのか、それとも……

 

今後の展開に期待である。