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悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

スペシャリスト 第9話

ドラマ 邦画

特に語ることもないため、記録をしたためたいと思います。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

第9話は前回の続きから。殺人トーナメント事件の生き残りを捕えた宅間たちだったが、何者かの手により宅間の元妻・美也子に毒を盛られてしまう。犯人は殺人トーナメントを仕組んだ人物、「管理人」だと思われた。「管理人」の正体は事件を計画したと思しき「犯罪脚本家」佐神なのか……などの展開だった。

 

 

今回の話は、前回の話から直接繋がっている。むしろ、前回の話と合わせた前後編だったといえる。

 

しかし、今回の話は今まで引っ張り続けた「ワレワレ」という組織についての核心に迫る話でもあった。

 

「ワレワレ」とは、司法関係者やら高級官僚やらを省庁問わずに横断的に集めた勉強会のことだったらしい。その集まりに対して明確な名前がつけられなかったことから、便宜的に「ワレワレ」と呼ばれるようになったのだという。

 

その中心メンバーの中には、今は亡き宅間の元上司・高倉紀一郎(大杉漣)や、10年前に亡くなった我妻刑事の父・公昭(羽場裕一)らが含まれていた。

 

この勉強会の目的は、深刻化する犯罪を研究し、国家の治安を守ることにあった。

 

しかしその目的はあることをきっかけとして正道を逸脱し始める。「ワレワレ」は犯罪を研究することだけではなく、犯罪者の有効活用という究極の犯罪対策に乗り出してしまった。そこで彼らは佐神をはじめとした生粋の犯罪者たちをスカウトし、組織の中に囲っていたのである。

 

だがこの計画は失敗に終わる。「ワレワレ」の人間たちは、自分たちが集めた犯罪者たちをコントロールし切れなかった。犯罪者たちは示し合わせて「ワレワレ」の元から脱走し、彼らが抱え込んでいた重要機密を軒並み盗んでいった。その結果、犯罪手法に異常に詳しくなった凶悪犯罪者が野に放たれてしまった。その犯罪者の一人が、かつて姉小路刑事の夫を殺害した武藤久志(要潤)である。

 

「ワレワレ」の構成員たちは、自分たちの失態をもみ消すために、「ワレワレ」の存在を知る犯罪者や、事実を公表しようとする裏切り者を次々に抹殺していった。

 

今回、「殺人トーナメント」事件を起こした黒幕は佐神ではなく、「ワレワレ」の子飼いだった犯罪者だったのだ。彼は「ワレワレ」が入手していた佐神の犯罪計画書を受取り、その通りに「ワレワレ」から逃げ出した犯罪者たちを殺し合わせたのである。

 

 

なんとも衝撃的な展開であった。まさか「犯罪者の有効利用」などと言い出すとは、「ワレワレ」がいよいよ狂信者の集団にしか見えなくなってきた。バカと天才は紙一重とは良く言ったものである。頭が良すぎると、妄想と現実の境目がぶれてしまうのだろうか。

 

さて、今回は佐神と宅間が直接対峙するシーンが用意されていた。上川隆也氏の演じる佐神は、物静かな狂気を孕んでいた。一目見ただけで「あっ、こいつ普通じゃねえ」とわかるほど空恐ろしい雰囲気を漂わせていた。

 

どうして佐神が宅間に情報提供しようという気になったのか。それは、今回の犯罪計画はかつて佐神自身が廃棄したものだったからなのだという。

 

彼は言う。「自分と宅間は壁一枚を隔てたネガである」と。

彼は、いずれ宅間ともう一度戦うために、宅間たちに余計な障害を排除してもらいたがっているらしい。

 

根底では敵だが、一時的に手を貸してやる、というスタンスなのだろう。

 

 

残念ながら本作は次回で最終回のため、おそらく佐神にはもう出番は残されていないだろう。

 

「殺人トーナメント」事件の黒幕を追いつめ、屋上から転落死させてしまった宅間。彼の処遇はどうなるのか。

 

そして、死んだと思われていた我妻刑事の父親が、どうして10年ものあいだ地下に潜伏していたのか。それは公安警察の任務とどんな関係があるのか。

 

すべての謎が明らかにされたとき、どれほどのカタルシスが待っているのかはわからない。

 

ひとまず言えることは、いつも通り、今後の展開に期待である、ということだけだ。