悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

怪盗山猫 第9話

特に語ることもないため、記録したいと思います。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

第9話は、ユウキ邸に潜入した山猫は、勝村によって銃撃された。彼こそ、ユウキが山猫を始末するために差し向けた殺し屋「カメレオン」だったのである。瀕死の重傷を負った山猫は、事件現場に急行した霧島刑事の手を借りてユウキ邸を脱出する。しかし、ユウキは勝村に対して、山猫の仲間を全員始末するように指示を出し……などの展開だった。

 

 

勝村無双。終わり!!!

 

――ほんとうにもう、今回の話はこれが話の半分である。殺し屋としての本性をあらわにした勝村がやりたい放題していた回だった。

 

山猫は防弾チョッキを着ていたために即死は免れたものの、勝村はそれをわかった上で執拗に銃撃していたらしい。しかも、縫い目の甘いわき腹にも鉛玉を食らわす悪質っぷりである。頭を狙って一撃で殺すのではなく、じわじわとなぶり殺しにしたいのだろうか。どうも勝村は、ユウキから命じられたから山猫を狙っているだけというわけではなく、個人的に思うところがあるように見えた。

 

 

勝村の動機の話に移る前に、今回はようやく山猫の経歴が明らかになった。

 

山猫は施設に預けられた孤児だった。彼はある日、多くの孤児たちと共に海外のスパイ養成施設へと売り渡される。それを主導したのが、ユウキテンメイだったのである。

 

ユウキは、日本の防諜機能に疑問を抱いていた。そこで、「日本は世界で最もスパイを警戒していない国=日本人は世界で最も警戒されない人種」という海外勢の刷り込みを利用し、日本人の子どもを海外組織のスパイとして売り飛ばすことにした。この行動の真の目的は、そうして育った日本人のスパイを日本に寝返らせ、海外の諜報機関の情報を密告させる二重スパイとして用いるというものだった。

 

過酷な訓練を乗り越え、生き残った極僅かな孤児の中に山猫はいた。そして、そんな山猫に接触を図ってきたユウキテンメイのエージェントが関本刑事だったのである。

 

関本刑事の説得により、山猫は二重スパイとしての任務をこなしていった。しかし3年前、山猫は二重スパイの容疑がかけられていたことからユウキに切り捨てられる。遠いフィリピンの地で処刑されることになった山猫だが、彼はそこすらも生き抜いた。そして山猫は、日本のためと息巻いていたくせに結局は私利私欲に走ったユウキに復讐するべく、日本へと渡った。

 

そして物語は現在に至る、というわけである。

 

 

勝村は、山猫と共にスパイ養成施設に売り飛ばされた孤児の一人だった。しかし彼はスパイとしての適正がないとして訓練から排除される。しかし、狙撃と格闘の技術が図抜けていたことを買われ、スパイではなく暗殺者としての訓練を受けていたのだという。

 

勝村がいつから日本に来て、いつからユウキに仕えていたのかは定かではないが、少なくとも物語が始まった当初から勝村の標的は山猫だったことになる。

 

 

優男の皮を被った勝村の正体、それは、親しくなった人間を殺すことに至上の喜びを覚える異常殺人者だった。彼の手により、山猫一派である真央や里佳子がBAR「ストレイ・キャット」ごと焼き払われ、アジアンマフィアの女スパイは瞬殺された。

 

 

勝村役の成宮寛貴氏は、その全身から誠実そうな雰囲気を漂わせているだけに、この手の凶悪犯罪者を演じるとえもいわれぬ迫力がある。ちょっと前には「金田一少年の事件簿NEO」にて「地獄の傀儡子」高遠遙一役として主人公を翻弄していたこともあるし、なんとも芸達者な人であると感心する。

 

 

 

さて、次回で最終話だというのに、メインキャラクターの多くが途中退場してしまうという信じられない事態となってしまったが、彼らは本当に死んでしまったのか。

 

早く次の話が見たいものである。