悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

乱歩奇譚 Game of Laplace 第7話

ハードディスクに保存してあるアニメを絶賛崩し中です。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

第7話はパノラマ島綺譚(前編)。

 

カガミの逮捕以来、怪人二十面相模倣犯が10人を超えて現れた。そのすべてをアケチ自らが出張って解決していったが、そんなアケチの元に二十面相を名乗る人物からの挑戦状が届く。その内容は、労働者に無理な過重労働を強いて死なせている悪辣な会社経営者を殺害するといった予告だった。予告どおりに事件が起きてしまったことで、アケチは中村刑事とともに三重県の島へと出立する。その島は、通称「パノラマ島」と呼ばれるテーマパークの建設予定地だった……などの展開だった。

 

オープニングが始まる前に、新宿プリズンにてアケチと黒蜥蜴の会話があった。黒蜥蜴の話しぶりからすると、かつて二人は協力関係にあったように思われる。会話に出てきた犯人名と思しき「青銅魔人」「電人M」はどちらも乱歩作品のタイトルとなっているが、このあたりのエピソードは割愛されるのだと思われる。

 

今回、新たな二十面相に狙われたコモダという社長は、有体にいえばブラック企業の親玉だった。悪質なことに、その財力と権力を利用して不平不満を言う従業員たちを黙らせ、メディアへの情報流出を抑えるなどの汚いことまでやっていたという。果てには従業員たちを洗脳するために薬物を使用していた噂まであるなど、よくその歳まで誰にも狙われずに生きられたものだと関心する。

 

コモダと、そのビジネスパートナーであるヒトミという二人の老人たちは、この世の理想郷を「パノラマ島」に作るのだと豪語していたという。しかし二人は島の設備だった巨大マネキンに押しつぶされて亡くなってしまった。

 

ちなみに原作における「パノラマ島」は、主人公である人見という売れない作家が大富豪・菰田の死を利用してM県の島に理想郷を作り上げようとするという話らしい。

その理想郷がアニメで描かれていたようなエロチズム溢れる悪趣味な世界だったのかどうかは定かではないが、個人的にはこれのどこが理想郷なのか、究極の美なのかと疑問に思えた。ただの不気味なマネキンの山ではないか。

 

 

アケチは事件現場を見て、即座に事故ではなく殺人事件だと見破る。彼が言うには挑戦状があったこととは別に殺人を疑わせる何かがあったらしいのだが、それがなんなのかは次回までの持ち越しとなった。

 

今回はアケチが視点となる描写が多かったことから、いままでにない新たな人物表現がなされていた。アケチは見知らぬ人間を、デッサン人形のように認識しているらしい。興味を持つか、意識を強めることによって初めて相手の顔を人間として受け止める模様。アケチもコバヤシ同様に、事件以外にはまったく興味がないということなのか。彼にどんな過去があってそんな人間になってしまったのかも知りたいところである。

 

はてさて、今回は事件の導入編ということで、さしたる感想が書き記しにくいため、なんとなく印象に残ったことだけを列記するに留めた。

 

次回はいつ見ることになるのやら。