悪意ある善人による回顧録

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逆転裁判 ~その「真実」、異議あり!~ 第2話

 

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

第2話「逆転姉妹 1st Trial」。

 

成歩堂の上司、綾里千尋弁護士が事務所にて殺害された。成歩堂が現場にかけつけたとき、そこには彼女の妹・綾里真宵がへたり込んでいた。真宵から事情を聴きだす暇もなく事務所には警察が押し寄せてきて、真宵を殺人犯として連行してしまう。しかし成歩堂は真宵が犯人ではないと直感し……などの展開。

 

原作ゲーム「逆転裁判」の第二章にあたる話の序盤をアニメ化した話となった。

 

今回アニメ化するにあたって警察署やら裁判所やら検事局などのシーンも出て来たわけだが、そのどれもが原作ゲームの背景画を参考にして作っているようだった。

成歩堂のライバル役である御剣玲侍検事の部屋も、彼が主役のスピンオフ作品「逆転検事」で使われたシーンそっくりにアニメ化されていた。なかなかの徹底振りである。(現実にはありえない「K」の文字を象った検事のトロフィーやら、今後の話で登場する「トノサマン」のフィギュアやら……)

 

原作では成歩堂が事務所で千尋の遺体を発見したあと、隣のビルから悲鳴が聞こえてきて、悲鳴の主が警察を呼んだのだとわかる演出があったが、アニメ版では割愛されていた。そのため、成歩堂は現段階では事件の目撃証人の顔を知らないことになる。

 

第二話から登場したレギュラー陣の一人、糸鋸刑事からまんまと情報を聞き出して、証人が泊まっているホテルへと尋ねるも、ここでも証人と鉢合わせすることはなかった。今回の話は終盤で裁判所へとシーンが移ってしまうため、証人尋問で初対面ということになるのだろうか。

 

それにしても、原作だと1時間くらいかかった気がする探偵パートをアニメにすると20分ほどで方がつくとはオドロキである。それだけ必要な要素を凝縮しているということなのだろうが、思った以上に普通に見られる作品にまとまっていて一安心である。

 

ただひとつ懸念があるとすれば、「逆転裁判」の世界特有の裁判制度「序審裁判」についての説明がいまだにないことが気になる。

逆転裁判」の世界では多発する犯罪に司法の処理速度が追いつかなくなった結果、最長でも3日以内に被告人の有罪か無罪かだけを決める裁判をするようになっている。この制度によって成歩堂たち弁護士は非常に限られた時間のなかで弁護の材料を見つけてこなければならず、原作ゲームにおいてもたびたび成歩堂を苦しめるタイムリミットとなっているのである。

ダンガンロンパにおける「学級裁判」が事件から一定時間たったあとに即開始されるという設定は、まさに逆転裁判における「序審裁判」の制度をモチーフにしたものだと思われる)

 

この制度について何らかの説明がないと、どうしてこの人たちはこんなにもスピーディに裁判をはじめられるのだろう、しっかり捜査だの聞き取りだのをしているのだろうか、などと心配する視聴者も出て来るのではないだろうか。

 

 

いろいろあった末、結局は真宵の弁護を引き受けることになった成歩堂

次回はいよいよ御剣検事との直接対決の始まりである。