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悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

ストレンジャー~バケモノが事件を暴く~

ドラマ 邦画

原作が気になったことから、念のため録画しておきました。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

●概要

都内で、首を絞められた後に頸動脈に穴を開けられ、血が抜かれるという殺人事件が立て続けに二件起きる。刑事の佐伯章二(萩原聖人)らは、シリアルキラーによる連続殺人事件も視野に入れながら捜査を継続する。

その頃、大きなスーツケースを抱えた男・三杉晃(香取慎吾)と謎の美少女・真理亜(中条あやみ)が深夜バスから降り立つ。古書店の店主・前島康夫(段田安則)のもとを訪ね、“香織”という女性を迎えに来たと告げる三杉。前島は、そう話す三杉の姿が鏡に映っていないことを指摘し「気を抜くな」と忠告する。一見普通の人間と何ら変わらない三杉たちだったが、実はふたりには秘密が…。彼らは歳をとらずに生き続ける不老不死、バンパネラの一族だったのだ!

前島の勧めで三杉はかなり古びたマンションの一室を借り、中学校で産休補助の英語教員として勤務し始める。

そして約束の夜、伊東香織(宮下かな子)を迎えに公園に向かった三杉だったが、その途中で自殺を図った女性・相沢陽子(愛原実花)を手当している間に香織が何者かに殺害されてしまう!

血は抜かれていなかったものの、香織も連続殺人事件の被害者であると推測した佐伯は捜査を開始。香織の身辺を探るうちに、彼女が児童養護施設の出身であることがわかる。

そこで当時の様子を聞いた佐伯は、香織の「大人になったら“お兄ちゃん”が迎えに来てくれるの」という言葉が気になり…。さらに、香織の言う“お兄ちゃん”が三杉のことではないかと考えた佐伯は、三杉晃という人間について、そして連続殺人事件との関連について調べ始める。

佐伯が自分たちの身辺を探っていることに勘付いた三杉は、真理亜とともに事件の真犯人を見つけ出すことに…
やがて三杉のことを調べた佐伯は、衝撃的な事実を目の当たりにする…!

 

 

 

 

●感想

2016年3月27日にテレビ朝日で放送されたスペシャルドラマ。

その前の週まで「家族ノカタチ」を主演していたSMAP香取慎吾氏が主演を勤める。

 

あらすじから言ってそこまで興味があったわけではないのだが、原案が「ポーの一族」であると言うことを知り、急遽録画することにした次第。

 

そこかしこで聞き覚えのある「ポーの一族」という作品について、wikipediaによると……

ポーの一族』(ポーのいちぞく)は、萩尾望都による日本の漫画作品。『ポーの一族』シリーズは漫画雑誌『別冊少女コミック』1972年3月号から1976年6月号に断続的に連載され、その中核となる単独作品「ポーの一族」は1972年9月号から12月号に連載された。

 

ポーの一族 - Wikipedia

 


小説だと思いきや、なんとマンガだったとはじめて知った。原案となったマンガの方は18世紀半ばの西欧を舞台とする大河ロマンのようなのだが、これをモチーフにして現代日本でのファンタジー・ミステリーに作り変えたのが本ドラマである。

 

原作マンガを読んだことがないためあまり突っ込んだ話はできないが、wikiの登場人物一覧と本ドラマを比較しただけでもだいぶ違った物語になっていることは理解できる。あくまで「原案」として「ポーの一族」の設定だけを流用した作品ということなのだろう。それがいいことかは別として、まさに換骨奪胎である。

 

本作は不老不死の存在「バンパネラ」(≒吸血鬼)の一人である三杉晃が、10年前の約束を果たすために少女と再会しようとしたところ、彼女は20歳になったその日に何者かによって殺害されてしまう。

 

事件は巷で騒がれている連続殺人鬼の仕業と考えられた。犯人は被害者の首筋に二つの刺し傷を残しており、その傷痕はまるで吸血鬼が血を吸っているようなものだった。鑑識の考察によると、犯人は医学の知識を持った人間で、被害者から血を抜き取っているのではないかと想像された。

 

佐伯刑事(萩原聖人)は被害者の第一発見者である三杉が事件の鍵を握っていると予想し、彼の同行を調査する。

 

そのかたわら、三杉はパートナー(上司?)である真理亜(中条あやみ)と共に独自に犯人の行方を追うのだが……

 

ここまでが 本作におけるあらすじなのだが、なんというべきか、個人的には本作はそこまでおもしろくなかった。

 

なぜかというと、この物語の構成が非常に中途半端になっているからである。

 

本作は、鏡に姿が映らないなどの特異性を持った三杉を主人公とするファンタジー作品である。そこに連続殺人事件を解決すると言うミステリー要素を入れたものの、結果としてどっちつかずとなってしまった。

 

ファンタジーとして見る場合、前情報を知らない人間にとってはあまりに説明不足だった。彼らが「バンパネラ」なる不死の一族であるということも、「空気で察してね」状態でろくに解説もされない。謎の人物を追う側の人間ではなく、謎の人物そのものが主役だからそうなってしまったのかもしれないが、三杉を主役にすえるならもっと彼の過去を知れるエピソードが欲しかったところ。

 

またミステリーとして見る場合、事件捜査に着手するのがあまりに遅すぎる。事件の手がかりは「バンパネラ」の特殊能力的なものを利用し、現場に残留した匂いから犯人を割り出すと言う荒業で終始してしまった。ミステリーらしい部分が物語の4分の3を過ぎてからというと、どうしてもとってつけた感がでてしまった。副題からミステリー展開を予想した視聴者からは好評は得られなかったのではないだろうか。

 

犯人の犯行動機がそれなりにクレイジーでおもしろかった分だけ、ミステリー部分がオマケ程度だったことが悔やまれる。

 

まあ、そもそも筆者が考えるバンパイアものの話が「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」やら「ブレイド」やらのような、歴史巨編やアクションに偏っているからこその不満だったのかもしれないが。

 

最初からそこまで期待していなかったとはいえ、正直もう少し何とかして欲しかったところ。あまり辛辣なことは言わないで生きていきたいというのに……