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悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

99.9―刑事専門弁護士― 第2話

待望の第2話です。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

第二話は、居酒屋で騒いでいた男を注意した男性が男からナイフで襲われ、もみ合った末に逆に刺し殺してしまったという事件が発生した。深山たちは所長の斑目を経由してこの事件の弁護を担当することになるのだが……などの展開だった。

 

前回はほとんど事件にノータッチで、最後の最後に自分の得意分野である企業調査だけ協力していた上司の佐田が、今回は拘置所に行く段階から弁護に参加した。

というのも、斑目が佐田の顧客に対して逐一「彼は今度から刑事弁護の担当になりました」といらない報告をしてまわるものだから、佐田もあとにひけなくなってしまったのである。

 

一方で刑事事件専門の弁護士である深山は組織に属することを嫌っている。しかも弁護士という職のあり方について深山と佐田は決定的に違った見解を見せる。

「事実こそがすべて」と言い切る深山。

「依頼人の利益になることがすべて」と手段を選ばない佐田。

 

どっちも正しいようで、どちらも極端すぎる気がしないでもない。まあ、依頼人が本当の本当に極悪人だったとしたら、そんな人の罪を軽くするために嘘八百を並べ立ててまで法廷で戦うというのもおかしな話なわけで、主人公のポジションとしては深山の考え方のほうがいいのかもしれないが。

 

さて、今回の被疑者役は風間俊介氏である。

氏を最初に認識したのは某伝説的学園ドラマである「金八先生」だったと思われる。あのときの家庭に重大な問題を抱えた裏番的いじめっ子役は本当に怖かった……

それ以降、アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」にて主人公・武藤遊戯役にて声優デビューしたり、朝ドラで主役クラスの役を演じたりと、個人的に見所の多い役者さんの一人である。

(なお、「遊戯王」については4月23日より20周年記念作品として「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」が公開中である。これも近日中に見に行きたいものである)

 

話が脱線したが、今回の話は被疑者が正当防衛を主張するという、法廷ミステリーでは必ずと言っていいほど扱う定番テーマとなった。

 

素行の悪い客を注意したら、無理矢理人気のないところまで連れて行かれて、逆上した悪漢に襲われる。しかし、逆に悪漢を殺してしまう羽目になる。まさしく王道的展開である。

 

しかし不思議なことに、被疑者の証言と死体の状況がかみ合わないのである。被疑者は悪漢から何度も切りつけられた末、怒りに任せてナイフを奪い取って「2回」腹部を刺してしまったと証言している。しかし遺体についていた刺し傷は「5回分」なのである。

 

果たして被疑者は本当に正当防衛だったのか、それとも……やはり王道的な展開である。

 

ぶっちゃけた話、被疑者は悪漢の素性を知ったうえで彼に近づいたのである。なぜかというと、その悪漢というのがかつて被疑者の婚約者を強姦した末に自殺に追い込んだ極悪人だったのである。しかもその悪漢、とある大企業の社長の孫にあたり、その社長の命令によって弁護士を通じて被害者を脅迫したり、警察に圧力をかけて被害者の言い分に耳を貸さないようにさせたりと、人非人とさえ言えないような非道のかぎりを尽くしていた。

 

被疑者はその悪漢に対して、「おまえの過去は消えない」と耳打ちし、わざと相手を挑発して自分を襲うように仕向けたのである。その結果として相手を刺してしまった以上、純粋な正当防衛とはいえない事件だったのだ。

 

まあ、被疑者が悪漢を刺して現場から逃げ去ったあと、悪漢のかつての共犯者が口封じのためにトドメを指しに来たため、実際の殺人犯は被疑者ではなかったのが唯一の救いと言えるか。

 

第三者的な立場から言わせて貰うと、そんなゴミみたいなヤツを手にかけたからといって罪に問われるというのは何かが違う気がする。原因は10000%殺された側にしかないわけで、むしろどうしてこれまで野放しになっていたのか四方八方に責任を取らせてもいいくらいだと思うのだが。

 

まあそれはいいとして。

 

なんというか、深山がくだらない駄洒落を愛好しているキャラと言うのは固定されているらしい。オヤジギャグと言っていいのかすらわからないほど笑いどころのないギャクをかまして場を白けさせる深山。しかし、そんな彼のギャグに唯一笑いを堪えていたのが意外や意外、あの佐田だった。この二人、弁護に対する向き合い方は真逆でも、案外心根の部分は似通っているのかもしれない。そんな気がしないでもない。

 

はてさて、だんだんと登場人物のキャラ付けも濃くなり、重厚なミステリーにくっだらないコメディ色も混ぜ込んだおもしろいドラマになりつつある本作。今後の展開にも注視していきたい。