***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
第16話「再会、そして逆転 3rd Trial」
成歩堂の功績によって、密室と思われていた事件現場に第三者が出入りした可能性が指摘された前回の裁判。成歩堂は春美と共に再び倉院の里へと訪れる。春美の母・キミ子からの挑発めいた言葉、故霧崎医師に倉院を紹介した女・のどかの意味深な言葉。そしてお調子者のジャーナリスト・ナツミからの証言もあわせて、成歩堂の中にとある疑念が頭をもたげていく。そんなとき、キミ子が自ら警察に出頭し、事件について新たな証言をすることになったのだが……などの展開。
二日目の探偵パート、および裁判パートの前半をアニメ化した今回の話。
まず目に付くのは「逆転裁判2」から登場した新システム「サイコ・ロック」についての描写が完全カットされていた件だろう。
原作では成歩堂は春美からもらった勾玉の力を借りて、とある超能力的な力を身につける。その能力とは、隠し事をしている人がいると、その秘密の重要度に応じて錠前と鎖が幻視できるというもの。以後のシリーズでは、成歩堂は勾玉の力を駆使して、相手が隠している事情を巧妙に突き崩して、最終的には相手の秘密を聞き出すことができるようになるのである。
そしてその能力がはじめて使われたのが、春美が壺を割った件を解き明かす場面だったのである。
尺の問題で削ったのか、表現技法的にオカルト色が強くなりすぎて弁護士ものの話に相応しくないと思われたのかはわからないが、サイコ・ロックの描写がなかったことは少々残念ではある。まあ、成歩堂のハッタリとツッコミがアニメで見れるだけでも十二分に満足なので、言うほど残念がってもいないけれど。
さて、今回は真宵の口から綾里家に関する込み入った事情が語られた。
綾里家は代々、長女が家元を継いでいくのがならわしなのだが、真宵の親の代ではそうならなかった。真宵の母・舞子は、姉であるキミ子を凌ぐほどの圧倒的な霊能力を持っていたため、姉を差し置いて家元になることになってしまったのである。
この一件がキミ子の心に根深い憎悪を植えつけたことは想像に難くない。この先も彼女の執念がいらぬところで悲劇を生んでいくことになるのだが、それは主に「逆転裁判3」での話なのでここでは割愛したい。
さて、倉院の里で起きた殺人事件は次回で決着がつく模様。「1」のアニメ化と比べて実にスローペースというかしっかりとアニメ化されている印象を受ける「2」の話だが、もしや「2」の第一章をアニメ化しないことによって尺を稼いだのだろうか。あれはあれで楽しい話だからアニメ化されないと悲しいし、なによりあの話が映像化されないと今後のストーリーにも登場する準レギュラーが登場しなくなってしまう。
果てさてどうなることやら。そしていつになったら逆転裁判6の続きがプレイできるのやら。