***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
第8話「Who Killed Cock Robin」
(童謡『マザーグース』の有名な一遍「誰が駒鳥殺したの」の原題より)
苗木たちの窮状を知った十神がついに機関の施設へと駆けつけた。戦闘ヘリの爆撃をかわし続けた葉隠とも合流を果たし、両者は封鎖された施設への侵入を試みる。一方、コロシアイが続いている施設の中で、苗木と朝日奈は宗方に、霧切は逆蔵にそれぞれ襲撃を受けていた……などの展開。
天願会長との死闘を経て、すっかり乱心してしまった様子の宗方副会長。
会長と一緒に決死のダイブに巻き込まれたときにはそれほど目立っていなかった衣服の乱れが極まっており、仄暗さの中に煌々と輝く眼光と合わさって不気味な様相となっていた。
もう、誰が希望で絶望なんだかわかりゃしない。
苗木くんを見つけるや否や、「見つけたぞ絶望めぇぇぇ……」なんて口走って切りかかってくるし、危ないことこの上ない。
ところで、たしか前々回くらいに彼が装備していた折り畳み型日本刀(?)は雪染の遺体にぶっ刺していった気がするのだが……今回、宗方が持ち出したのはあれとは別の武器と考えるべきなのだろうか。なんか、高熱でも発しているのか刀身が真っ赤に煌いて恐ろしいことこの上ないんですが。
それはそうと、今回は一気に物語が動いたのも特筆すべきところだろう。
霧切さん、御手洗、黄桜、安藤が十六夜の遺体を調べていたところに、逆蔵が乱入してきて4人をボッコボコにしだした。
そうかと思ったら、これまで目立った行動をしてこなかった黄桜の姦計により、はじめて逆蔵に重傷を負わすことに成功。
逆蔵のNG行動が「素手で攻撃する」だとわかったことも大きな成果だが、なによりこれで、むやみやたらに人を攻撃してまわる逆蔵の行動を制限できると思った矢先……
例のクソ女、安藤が手元のスイッチを押したところ、突如として部屋の中央に大穴が開き、その真上に立っていた霧切さんは哀れ真っ逆さまに落下する……かに思われた。
だが彼女の窮地を、なんと黄桜が助けてくれた。それも、彼のNG行動である「左手を開く」という制約まで無視して。
結果、NG行動によって黄桜の身体には致死毒が駆け巡る。しかし彼は死ぬ間際の最期の力で、落下しそうになっていた霧切さんだけは床へと引き戻した。その代わりに、力尽きた黄桜は底も見えないほど深い穴の中に落ちていった。
未来編の最初の方で黄桜が口走っていた、「あの子と合流しなくちゃ」というぼやき。
やけに霧切につきまとう不自然な挙動。
そして絶望編で語られた黄桜と霧切さんの父・仁との約束。
彼は最初から、ずっと霧切さんを守るために行動していたのである。
今回のアニメの冒頭で、苗木くんたちが希望ヶ峰学園でコロシアイをさせられていたと思われる数年前に、黄桜たちが苗木君たちを救出しようとしていたシーンも挿入されて、彼の株が個人的には急上昇した矢先の死。なんとも悲しい展開である。
(彼が怪しく見えたのは、そのことをずっと隠していたからだったのだろう)
それにしても、やはり安藤はクソ女でしたねー。忌村との傲慢すぎるやり取りの件といい、十六夜を手足のようにこき使う手腕といい、1から10まで気に食わない女だったが、まさか十六夜を死に追いやったのが安藤だったとは。
霧切さんの推理により、十六夜の死が襲撃によるものではなく、安藤によってもたらされたNG行動による死だったことが発覚した。それもこれも、安藤が自分に課されたNG行動「参加者が会場の外に出る」を守るためのことだったのだという。
うーむ、初期になくなった万代の件と言い黄桜の件といい、本当にこのNG行動ってやつは厄介な代物である。ちょっと油断するだけで簡単に死んでしまうものから、殺人のきっかけになりうるものまで手広く揃っている。犯人はそうとうに陰湿な人間に違いない。
エンディングロールのあと、苗木くんがいると思しき施設の塔が真犯人の罠によって崩落するシーンが映し出されたが……
これは、苗木くんたちがこの施設ではない別の場所に幽閉されているフラグと受け取ってよろしいのだろうか。これで本当に苗木くんたちがいる施設が爆破されたなら、彼らは全員仲良く死ぬしかないし。
何はともあれ、さっさと続きを見たいものである。