悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第06話

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

アンジュがアルゼナルに着任してからしばらくの月日が流れた。ある日、アルゼナルの中に侵入した者が現れたとの警報が流れる。侵入者の正体は、かつてアンジュがアンジュリーゼだった頃の筆頭侍女・モモカであった。アルゼナルの風土に染まり、荒みきったアンジュの姿を見て驚愕するモモカだったが、かつてと変わらぬままにアンジュに仕えようとする。しかし、アルゼナルの存在は全世界における最高機密。ノーマ以外でその存在を知った者は処刑されることになっていると知り、アンジュは……などの展開。

 

 

1話以降、久々の登場となる侍女のモモカ・荻野目。

ミスルギ皇国出身らしいけど、名前は日本語だし、ホントにあんたらいったい何人なんだ? という疑問は本編には関わりのない瑣末な問題なのだろうからスルーすることにして。

 

モモカは国王と王女の命を受けて、アンジュがノーマであることを隠すために、アンジュの変わりにマナを使う役目を担っていた。つまり、モモカもアンジュの正体を秘密にしてきた、アンジュに嘘をついてきた人間である。

 

ただ、それは単に命じられてそうしてきたというわけではなく、モモカはあくまで個人的にアンジュを守るために嘘をついていたらしい。

 

幼いころのアンジュは、マナの満ちた世界の常識を叩き込まれた16歳のころのアンジュと違って純粋に優しい子どもだった。モモカはその頃のアンジュを慕って、ずっと付き従ってきたのだ。

 

盲目的かつ献身的にアンジュに奉仕するモモカに対して、アンジュは徹底的につらく当たる。

 

気持ちはわからないではないが、アンジュがこんな目にあっているのはモモカのせいではないのだが……

 

まあ、それでも挫けずアンジュに好意を示すモモカもたいがい肝が据わっているというか、本当にアンジュのことが好きなんだなとちょっと感心した。

 

ここまでくると、これはもう製作スタッフ的にもモモカを殺しにかかっているのかと思ったのだが、そこは一抹の良心を見せてくれた。モモカが処刑される前に、アンジュが大枚をはたいて彼女を引き取るというミラクルな展開となったのだ。

 

これは、最終回までモモカも生きている展開になったと考えても良いのか。

 

とりあえずモモカがいれば、荒みきったアンジュの心がもう少しましになると予想されるため、こちらとしては大歓迎だけれど。

 

まあ、あと少し気になることはというと、「カネ」を目にしたときのアンジュやモモカの反応が同じだったことだろうか。

 

どうも、マナが満ちた世界とやらは貨幣経済でまわっていたわけではないらしい。金銭によるやり取りではなく社会を運営しているというのは、資本主義経済が根付いて久しい現実に生きている筆者からするとちょっと想像しがたい。

 

亡くなったココが夢見ていた通り、確かにマナが満ちた世界というのは「魔法の国」だったのかもしれない。誰も傷つかず、誰もが満たされているように「見える」世界。その裏で犠牲になっている多くの存在(ノーマ)のことをひたすらに無視する世界。

 

これはまるで、ドラマ「mozu」の大悪党・東和夫が口走っていた『オメラス』のようではないか。

 

確か彼の話では、『オメラス』 はその欺瞞によって滅んだんじゃなかったか……?

 

ふむ、1~3話まではアンジュの言動があまりにも酷すぎて半ば本気で見るのを止めようと思っていたけれど、これはいよいよおもしろい展開になってきたのではないだろうか。

 

今後の展開が気になるところではある。