悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第09話

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

アルゼナルからの脱出に成功したアンジュとヒルダ。アンジュは囚われの妹のもとへ、ヒルダは11年前に離れ離れになった母のもとへと急ぐ。しかし、ノーマと認定された二人が温かく迎えられるはずもなく、それぞれの悲劇が待ち受けていた……などの展開。

 

 

……久しぶりにいつかの言葉を思い出した。

 

「登場人物全員クズ」とは、言いえて妙かなと。

 

ヒルダの母親はかつて、ヒルダがノーマとして連行されるときには必死に抵抗した。それなのに、11年という歳月のあいだに新しい子どもを設け、その子にヒルダと名づけて育てていた。

 

本物のヒルダが戻って来たと気付いて喜ぶかと思えば、母親の反応は予想の斜め上をいった。

 

まさかの「バケモノ」呼ばわりである。

 

ヒルダの妹に当たるヒルダ(ややこしいな)に至っては、ノーマが現れたと発狂して気絶してしまう始末。

 

母親はヒルダに対して、警察は呼ばないからさっさと消えろとアップルパイを投げつけたうえ、結局は警察を呼んでいたという非道っぷり。

 

うーむ、やはり「マナの満ちた世界」とやらの住民たちはみな心に欠陥を持っているようである。自分に危害を加えない相手に対してまで過剰に攻撃してくるとは、なんだか人間の嫌な部分を見せ付けられてイライラする。

 

たとえるなら、「マナの満ちた世界」の住民にとっての「ノーマ」とはゴキブリのようなものなのかもしれない。現実世界での一般人の多くは、ゴキブリを発見すると異様に怖がり、殺虫剤を乱射して一刻も早く標的を抹殺しようとする。その攻撃行動はゴキブリが人に対して何らか加害行為をしたか否かは関係なく行われる。

 

とにかく、存在するだけで嫌悪感が走る、といった類の衝動なのだろう。

(まあ、ゴキブリに関しては歩く病原菌の塊みたいな部分があるから、存在しているだけで人間にとっては害になるし、異常な繁殖力によって存在を許せば被害が増大すると言う特徴があるから、人間であるノーマとはまったく状況が異なるとも言るけれど)

 

いやそれにしても、まさかアンジュの妹までもが差別感情に染まりきっているとは恐れ入った。

 

「マナの満ちた世界」の教育を受けた人間のはずなのに、アンジュの従者であるモモカは非常にまっとうな人物である。このことからも、狂った教育によってこの世界の住民すべてが狂った差別感情に支配されているとは限らないことは明らかである。

 

しかし、旧ミスルギ皇家の人間は支配階級ゆえか特に強烈に洗脳教育を施されたのだろうか。シルヴィアがいきなり実の姉であるアンジュにナイフを向けたときの言動は悪寒が走った。

 

 

嗚呼成程、之当ニ「登場人物全員屑」ト言ワシメタリ。

 

 

アンジュは独断専行こそ強いものの、アルゼナルの環境に染まってちょっとずつまともな人間性を取りもどしつつあるというのに、もとの世界の住人たちのクズっぷりのなんと浅ましいことか。

 

 

あと気になるところというと、数話ぶりに謎の青年・タスクが一瞬だけ登場したことだろうか。

 

なにやらビルの上からアンジュを監視しているようだが、本当に彼はいったい何者なのだろうか。どっかの機関に属するスパイ的な人間なのだろうか。

 

 

それぞれ捕らえられてしまったアンジュとモモカ、ヒルダの3人。果たして彼女たちの運命はいかに。うーむ、気になる……