***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
第1話「希望の学園と絶望の高校生」
天願会長が遺した最期の希望に衝き動かされ、全人類に向けて「希望のビデオ」を放送しようとする御手洗。苗木たちは御手洗によって操られた機関員たちに阻まれて身動きができず、成す術もない。そんなとき、島の外部から意外な人物たちが助太刀する。それは、かつて絶望に洗脳されていたはずの77期生の生徒たちだった……などの展開。
……ここまで来るのに随分と時を要した気がする。
始めて「ダンガンロンパ」に出会ったのが2010年で、続編はその2年後に発表された。『希望ヶ峰学園』シリーズの最終章であるアニメ「ダンガンロンパ3」が放送されるまでに約6年もの歳月が流れた。
その大団円に相応しい結末だったと、まずは素直に評しておきたい。
「2」のエンディング時から気になっていたことの伏線も見事に回収しているし、とりあえずはホクホクな気分である。
ただまあ、ご都合主義と指摘されても無理はない気もしないではないけれど。
たとえば、そもそも日向と御手洗とは面識がないんじゃないか、という疑問とか。
他に気になることというと次の点。
「2」の終盤にて希望更生プログラムは「強制シャットダウン」されていることから、「2」の登場人物はプログラムに投入される前の状態、つまりは絶望に洗脳されている状態のままだとされていた。
「2」の主人公だった日向にいたっては改造手術されたあとの人格「カムクライズル」に戻ってしまうとも言われていた。
それが何故か、日向は本来の人格を取りもどし、そのうえで「超高校級の希望」の才能まで持ち合わせているというスーパー人類な状態になっている。
しかも、ゲーム世界で死んだことによって脳死のような状態になっている同期生を含めた全員を、日向一人の力によって絶望状態から通常状態に回復させたのだという。
人を洗脳するビデオというのも凄まじい話だが、それを人間一人の力だけで無力化して正気に戻すというのもまた無茶な話に聞こえてしまうのだけれど。
ただまあなんにせよ、77期生の面々が世界中の人間を殺しまくっていた頃の危険な状態から元の人格に戻ったことは何よりである。それによって罪の意識とかに苛まれないのかという疑問はあるものの、彼らの状態を見るに大丈夫そうではある。
今回のコロシアイは、いわば未来機関内部による自作自演だったわけだが、77期生の面々は世界の平和を維持するために今回の出来事を自分たちの仕業ということにしてどこかに旅立つことになった。
いかに洗脳されていたとはいえ、自分たちがやったことの責任はあまりにも重過ぎる。おそらくこれから生涯流浪の旅を続けることになるのだろうが、確かに死ぬ以外ではそれしか償う方法はないのかも。
苗木くんと日向が通りすぎるシーンは、希望のバトンを苗木くんに託すといった意味合いも含まれていたのかもしれない。
それにしても、それにしてもである。
やはり、ダンガンロンパスタッフはわかっている。
霧切さんは生きていた!!!!!
それも、やはり遺体捜査時に毒の対策を取っていたことによるというクレバーな方法によって!!!!!
これで霧切さんが亡くなったまま終わってしまったら本当にどうしようかと思ったが、その点は安心した。なによりである。
これで「希望ヶ峰学園」シリーズはひと段落したわけだが、ダンガンロンパはまだまだ続いていく。
ひとまずは来年1月に発売される予定の新作「ニューダンガンロンパV3」を楽しみにしておくことで、筆をおきたいと思う。