悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

ニューダンガンロンパV3 その4

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

 

・第3章

 

またしても章の開始と同時に大きなネタばらしがあった。

 

なんと、現代の日本に隕石が流星群のごとく降り注いでいるというニュース映像が流れていたのである。

 

この情報は、あくまでプレイヤーに向けて提示されたものであって、最原を始めとする登場人物たちには知らされていない。

 

前章で登場した「思い出しライト」なる不思議アイテムによって、いずれ彼らもこの事実を思い出すのかもしれないが……

 

それにもう一つ気になることというと、登場人物たちが思い出させられた記憶の中に、彼ら16人全員の合同葬儀の記憶があったことである。

 

彼らは「超高校級狩り」なる組織か何かによって狙われ、殺されてしまったと噂されていた。しかし、殺されたとされる張本人たちが自らの葬式の記憶を持っているというのはいったいどういうことなのか。

 

彼らのオリジナルは全員既に故人であり、いま才囚学園に閉じ込められている最原たちは記憶のデータだけを注入されたアンドロイドかなにかのか。

 

それとも、死んだということ自体が偽装で、超高校級狩りなる存在によってまとめて拉致監禁されてしまったのか。

 

物語の背後にあるなぞについては、これ以上は推測の域を出ない。別の機会のネタばらしを待つしかないようである。

 

 

 

それはそうと、被害者・犯人を含めて4名の死者を出してしまったことで、残りは12人となってしまった主人公一行。

 

しかし、やはり今回の参加者は腹黒だったり影がある人物が多すぎるせいで、日常編であってもこれまで以上に不穏な空気が付き纏っている。

 

コロシアイに疲弊した参加者たちの半分は、あろうことか次々と宗教に傾倒し、「生徒会」なる団体を作って残りの半分を支配しようとしだしたのである。

 

これは旧作にはなかった現象だが、確かに少数人数が極限状態に置かれると、派閥を作って自分の地位を安定させようとすることは普通に起こりうる。

むしろ、これまでの作品でそうならなかったのは、思った以上に精神的な強さを持った者が多かったからなのかもしれない。(それか、危機的状況のなかでもあっけらかんとしていられる適度なアホさがあったからかも)

 

ただまあ、そうやって組織した「生徒会」もコロシアイに利用されたせいで、結局は瓦解してしまったのが物悲しい。

 

第3章は旧作からの伝統なのか、例外なく「連続殺人」が発生している。そのため今回もまた2人も犠牲者が出てしまった。

 

しかも、そのうち一人は先に死んだ一人の遺体を捜査中に殺されるという摩訶不思議な展開である。

 

ただ、今回の事件は現場の状況の特殊さから、被害者のうち一人の事件に関してはほぼ犯人が絞られてしまっていたのが残念ではあった。

 

それでも今回の事件がおもしろかったのは、モノクマによる追加ルールの存在である。

 

それは、「別の犯人による別の殺人が同時に起きた場合、学級裁判で指摘するべきクロは最初に死体が発見された事件の犯人のみ」とするルールだ。

 

つまり、ある死体が3人以上の参加者によって発見されるまでに別の死体が発生してしまった場合、先に見つけられた死体の事件の犯人を糾弾しなければならないということ。

 

そしてこの場合、裁判の対象から外れた事件は議論の対象でないばかりか、その犯人は「卒業」の資格も得られない、まさに殺し損・殺され損になるという仕組みである。

 

旧作では、連続殺人によって参加者の残り人数が激減することを恐れて、「一人の犯人による殺人は2人までとする」といったルールが規定されていた。

このルールを逆手にとって不連続殺人を連続殺人に見せかけるという方法をとった犯人もいた。

 

もしも今回追加されたルールに意味があるなら、本当にクロが2人いるという特殊な学級裁判になるかもしれない……そんな期待感というか、高揚感があった。

 

ただ、今作の「同時に別の殺人が起きたとき」のルールは、2人目の死体が発見されたあとに急遽追加されたルールのため、犯人にとっては計算外のものだった。結局、2つの事件は1人の犯人によるものだったわけだし。

 

というより、今回の犯人はこれまでの犯人たちと違って、自分が有利になるための計算など度外視した人物だった。

 

本当なら、1人目を殺した段階で犯行を止めておけば、誰にでもできる犯行であるゆえに犯人を特定できないといった、犯人にとって理想的な状況にできた。

 

ソレにもかかわらず、今回の犯人はもう一人殺すことを決意し、そのまま実行に移してしまった。

 

どうしてそんな非合理的なことをするのかと思いきや、その理由がビックリ仰天。

 

なんと犯人は、才囚学園からの脱出よりも、一人でも多くの人間を殺すために2人目を殺したというのである。

 

犯人の正体は、頭の狂った大量殺人鬼だったのだ。

 

過去作にも「超高校級の殺人鬼」という人が主要メンバーに登場したことはあるけれど、それに匹敵するほどの破綻ぶりで、ちょっともうドン引きするほどであった。

 

1・2章の犯人たちが他者のために事件を起こしたこととは対照的な犯人だったといえるだろう。

 

これで残り人数は9人になってしまったわけだが、果たして今後どうなっていくのか。

 

気になって夜も眠れない。