悪意ある善人による回顧録

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歌舞伎町探偵セブン (first season) その3

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

歌舞伎町探偵セブンの魅力のひとつは、なんと言ってもスマートフォンをフル活用した臨場感です。

 

ただしこれは魅力であると同時に、イベント参加への敷居を高める要因にもなっています。

 

なぜなら、イベント参加にはスマホアプリ「LINE」の使用が必須となるためです。

 

とはいえ、個々人が持ち歩いているスマートフォンを活用しているからこそ、イベントの参加費を抑えつつ、あたかもハイテクな捜査をしているようなドキドキ感が味わえているとも言えます。

 

事件の導入時にはアニメーションによるオープニングムービーが見れるほか、プロの声優さんたちによるキャラクター達の掛け合いを5~8分ほど聞くことが出来ます。

 

まるでテキスト形式のアドベンチャーゲームをプレイしているかのようで、いい意味で現実と虚構の垣根を取り払う下準備をしてくれているかのようでした。

 

人によっては、好きな声優さんがキャラクターボイスを充てているというだけでもこのイベントに参加する価値はあるかもしれませんよ?

 

●事件1「No.1キャバ嬢殺人事件」

 

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「歌舞伎町探偵セブン」では、参加者はセブン探偵事務所に雇われた「新人探偵」として扱われる。

 

このセブン探偵事務所には個性的かつ優秀な先輩探偵たちが所属しており、参加者は彼らが受け持つことになった事件を研修の名目で手伝うことになる。

 

事件1を受け持つ先輩探偵は、ヤクザ探偵「ラビット」。

(CV:大塚 明夫)

 

元々は歌舞伎町で暴れまわっていたヤクザ者だったらしいが、何らかの事件をきっかけにセブン探偵事務所に所属する探偵になったとのこと。

 

 

そんな彼の元に舞い込んだのが、一人のキャバ嬢の死の真相を突き止めて欲しいという依頼だった。

 

ここまでのやり取りをスマートフォンの動画で確認したあと、実際に依頼主に会うために本物のキャバクラに向かうところから捜査が開始する。

 

入門編と銘打たれた事件0が公開される前は、恐らくこの事件1から始める参加者が多かったはず。

右も左もわからない参加者をまず真っ先にキャバクラに向かわせるとは、運営者も思い切ったことをしたものである。

 

この手のイベントに参加する者は、十中八九その手の店には縁がないはず。

 

ゲーム開始時に渡された地図と店の名前を何度も見比べて、

 

「えっ、本当にこの店? 本当にここ入っていいの? 店の人に怒られたりしないの? 本当に大丈夫? 本当に――(エンドレス)」

 

と扉の前で右往左往する者も少なくなかったのではないだろうか。(筆者がその一人)

 

しかし、そこは安心して欲しい。

 

このイベントで立ち入らなければならない店は、基本的には「夜」の店ばかりである。

 

イベントが開催している昼間から夕方にかけては店の人は裏手で開店準備をしていることが多く、実際には営業時間前となっている。

 

キャスト(=運営スタッフが扮する物語上の人物)は開店前の店の一角を間借りしているため、参加者は間違えることなく聞き込み調査をすることが出来る、といった寸法なのだ。

 

ちなみにこの事件1は、公開されている8つの事件の中で最も多くの店に出向き、最も多くのキャスト相手に聞き込みをする必要がある。

 

懸命なる読者諸氏を始めとするパーリーピーポーリア充にとっては何てこともないだろうが、筆者のような腐れボッチにとっては少しばかり骨が折れる作業であった。

 

しかし、その分だけ事件の真相を自分自身が追及しているという実感を得られたとも言える。

 

物語終盤では、あたかも本当に命の危険に晒されているような錯覚さえ感じるほどのスリルを味わうこともできた。

 

ただしこの事件1に関して言えば、推理や犯人探しがしたい人にとっては若干趣旨が異なるかもしれない。

 

8つの物語の中には、推理が主体になっているものもあるにはあるが、やはりこのイベントの主題は「探偵体験」である。

 

現実の探偵は「じっちゃんの孫」や「身体は子供頭脳は大人」な天才たちのように事件の犯人を突き止めたりはしない。

 

あくまで依頼人の要望にしたがって、何がしかの調査をすることがメインとなる。

 

・・・・・・ただまあ、そうは言っても事件1は「殺人事件」と銘打っているだけあって、結局のところ犯人との対決が待っているのだが。

 

なにはともあれ、本イベントは2時間ほど街中を歩き回り、集めた手がかりを元に熟考すれば誰でもクリアすることは可能である。

 

先日イベントの終了日が発表され、真っ先に終了してしまうのがこの事件1であるため、未体験のプレイヤーには事件1を優先的に体験することをオススメする。