4章を読了。
***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
逆転に次ぐ逆転、というほどのどんでん返しはなかったものの、ようやく従来のシリーズに近い雰囲気の話となった4章。
イベントの構成の概略を振り返ると
探偵パート1つ、共同推理1つ
裁判パート1つ、最終弁論2つ
となる。
探偵・裁判パートのどちらも中間地点があったものの、探偵⇒裁判⇒探偵⇒裁判……のように何回も日をまたぐ展開ではなかったため、上記のようにまとめられると思う。
一見、まったく無意味に思えた探偵パートの捜査が、実は事件の真相と密接に関わっていたというくだりは、なかなか驚かされた。
ただ、今回の事件も2章と同様、悪意ある者による作為的犯行ではなかった。
どちらの事件も、事件を起こした人間と事後工作を行った人間が違ったことにより事件が複雑化したという共通点が見られる。それゆえに似たり寄ったりな印象がないわけではないが、事件としてはきちんと解決をみたので安心である。
ただし、今回の事件でも謎が残っていないわけではない。
たとえば、被害者の身元が判然としない点である。被害者は意識不明の重態を負っているため、所持品から身元を推測するしかなかったとのことだが、これが今後の物語に影響するのかが気になるところではある。不慮の事故による死という展開が立て続かないようにするためだけに4章の被害者を重症止まりにさせたのだとしたら、伏線と誤解させるような情報を出さないでもらいたいものである。
あとは探偵パートにわずかばかり登場した奇抜な人物がいるが、これは明らかにのちの展開に関係があると思われる。ただ、その章の事件とまったく関係のない人物を登場させるのは、これまでのシリーズとは物語の手法が異なっている。すこし気になるところではある。
とりあえず、5章まで進めることができた本作だが、いったいあと何章残っているのだろうか。
過去のシリーズではひとつの章につき探偵・裁判の両パートを2~3往復くらいしていたせいか、本作ではどちらのパートも消化不良気味である。要するに、物足りないのである。
これがもしも事件の数を多くして、各パートの行き来の回数を削ったということであれば高く評価できるのだが、果たしてどうなることか。
6章まであるのか、まさかの5章で終了なのか、見ものである。