思うところあり、急遽プレイしなおすことにした次第です。
***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり**~
本作は2005年4月28日にInnocent Greyから発売された18禁ノベルゲームである。
当時では(今もか?)非常に珍しい、「探偵もの」の要素を前面に押し出したアダルトゲームであり、
サイコミステリーの金字塔でもある。
イノグレ(=Innocent Greyの愛称)のデビュー作でもあり、
今だ輝きを失っていない不朽の名作といっても過言ではない。
製作スタッフが京極夏彦氏の作品にインスパイアされたと公言していることから、どことなく物語の雰囲気が似通っているが、それだけでは済まされないオリジナリティが本作にはある。
なお本作は2005年12月15日にPS2用ソフトとして全年齢版も発売されている。
実は、私がこのゲーム及びイノグレの存在を知ったのは、当時立ち読みしたゲーム雑誌(ファミ通だった気がする)の紹介記事による。
第二次大戦後のうらぶれた日本を舞台とした本格ミステリ作品として非常に興味を持ち、すぐさま自宅に帰ってネット検索したことを今でも覚えている。
そこではじめて本作が18禁作品だったということを知ったのだが、そのような些事など一切気にせず情報を集めまくった。
PC版、およびPS2版のオープニング映像が公開されていたため、軽く100回は越えるほど繰り返して見た気がする。この作品の寂しげな、それでいてとても情熱的な世界観をこれ以上ないほど見事に表現しきっていた。
主題歌を歌っているのはどちらの版も霜月はるか氏。
PC版主題歌は「恋獄」、PS2版主題歌は「LUNA」となっているが、どちらも個人的には5本指に入るほどの神曲だと認識している。
これらのPVがトドメとなり、ゲームの購入を決意した。
しかし、同じ内容のゲームを2つ買うのが時間と金の無駄に思われたため、どちらか1つだけに絞ろうと考えた。
PC版は発売されて半年以上たっており、今すぐ買っても特に何ら特典もつかない。
一方PS2版は通常版とドラマCD同梱限定版の2種類が発売されており、予約特典に書き下ろしクリアファイルがつくという。
このドラマCDに惹かれて、当時の自分はPS2版を購入した。
PS2版ではグロテスクな遺体の画像が完全カットされていたり、台詞回しが穏当なものに収録しなおされていたりと、若干パワー不足なところもあった。とはいえ、PC版にはなかった主人公とヒロインとの過去シーンが追加されていたりと、興味深い点はいくつもあったため、後悔はしていないが。
あれから早10年にもなるが、実は私は、これまでPC版のカルタグラでTRUE ENDを迎えたことがないのである。
数年前にPC版を手に入れたのはいいものの、プライベートに忙殺されていたため碌に遊ぶことも出来ず、BAD ENDだけを周回してTRUE ENDを見ないまま放置してしまった。(当方、おいしいものは最後まで取っておく主義ゆえ)
それなのにどうして今更プレイしなおそうかというと、理由は明日にある。
2015年12月28日、なかのZERO大ホールにて「Innocent Grey 10周年記念コンサート「神曲」」が開催されるのである!!!
イノグレ作品は全年齢対象の百合ミステリ「FLOWERS」以外はすべてプレイしているが、この記念すべきコンサートを前にどうしても昔の思いに浸ってみたくなったのである。
ひとまずTRUE ENDを見ることだけを目的に、Hシーン他を大量にスキップしながら半日で読み進めることにした次第。
というわけで、詳しい感想やら何やらは明日以降、ぽつぽつと書いていきたいと思う。
今は本文を速読することで精一杯でそれどころではないのだ。