悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

グッドパートナー 無敵の弁護士 第5話

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

 

第5話は、顧問先のひとつである総合病院からセクハラについての講演会を依頼された咲坂。医師たちの反応は芳しくなく、熱海は大した成果がなかったとぼやく。一方、講演会を依頼してきた病院の事務長が悩んでいる様子が気になって咲坂は……などの展開。

 

 

セクハラやらパワハラやらアルハラやらモラハラやら、こういったハラスメントの問題というのはどうしてこうも簡単に起こってしまうのだろうか。

 

思ったことをそのまま口走ってしまうしょーもないバカが多いせいなのか。その言動をとることによって相手がどう思うかすら予測できないアホが多いせいなのか。それとも、相手が困ることを承知したうえで嫌がらせ目的にするゴミクズが多いせいなのか。

 

いずれにしても偽善者であり傍観者でもある自分には縁も所縁もない話ではあるが、端から見ていてストレス爆上げこの上ない話題でもある。

 

いったいどうしてハラスメントなんて問題が起こってしまうのか、理屈のうえでは理解できても納得はできない。そんなカスのような人間がどれだけ世間にうじゃうじゃいるのか考えてしまったら生きているのも辛くなってしまう。

 

今回の話では、総合病院のエースともいえる医者が自分の立場を悪用してナースたちに執拗なセクハラを行っていた。無理矢理キスしようとしたり、意味もなく体を密着させてきたり、視聴者には明かされなかったが被害者からの陳述書を読んだ熱海が絶句するほどの下劣な行為まで行っていたらしい。

 

こんな性犯罪の権化のような医者に看てもらわなければならないなんて、患者たちが気の毒でならない。

 

しかし病院側はこれらの問題をずっともみ消し続けていた。ナースたちから相談される事務長だけは問題解決を模索していたが、医者も院長もシカトを決め込むばかりで、挙句の果てには「嫌なら辞めればいい」と言い放つ始末である。

 

高所得・高学歴の人間の中に特権意識だけ身につけたような勘違い野郎がいるから、この国はどんどん歪みが生じてきているのだと思う。誰が悪いかなんて子どもが見てもわかるようなことが、彼らにはわからないのである。いっそのこと医者なんかやめて、自分が精神病棟の患者にでもなってしまえばいいのに。

 

咲坂は最初、依頼者である事務長の望みどおり、この問題を穏便に解決する方法を探していた。しかし、咲坂の元妻である夏目は「甘すぎる」とこれを一喝。セクハラを何度も繰り返すようなゴミクズは誰が何を言おうと絶対に反省なんてしない。そもそも悪いことをしているなんて毛ほども考えていないのだから、無理もない。そんな人物をそのまま病院に置いていたら、そう遠くない将来もっと深刻な事件が起こって病院自体がつぶれてしまう恐れだってある。実際、患者の急変をナースが知らせてきたにもかかわらず、件の医者はナースに嫌がらせをするためだけに患者を看にいかずに症状を悪化させてしまった。こんなことが続けばいずれ人死にが出ることも考えられる。

 

この手の病巣を放置することはできない。ガンを切除しなければ本体が死ぬというなら、切除する以外に道はない。穏便な解決なんて端からありえないのである。

 

最終的に咲坂も夏目の考えに同調し、病院からこの医者を追い出す方向で事件解決へと導いた。近いうちにその医者からセクハラを受けていたナースたちが集団訴訟を起こすとのことなので、もうその医者にはまともな未来は待っていないだろう。心の底からいい気味である。

 

ただこう言ってはなんだが、だからといって近年のセクハラやらパワハラやらというものすべてがここまで深刻な問題なのかという疑問がないわけでもない。

 

というのも、たとえば女性がセクハラを受けたと主張する場合、相手男性を貶めるためだけに大げさに話すケースもあれば、相手によって態度を使い分けているケースもあるように見受けられるからである。

 

このように弱者の権利を悪用する『自称』被害者の存在も考慮に入れないと、今度は一方的に加害者にされた人間が救われなくなってしまう。

 

だからこそこの手の問題は難しいのだろうが、だったらなおさら事件をもみ消すのではなく、第三者の協力を仰いで徹底的に事件を調べる必要があると考える。誰かからの一方的な意見だけを聞くのではなく、聞き込みやら証拠収集やらを重ねて真相を明らかにしようとする姿勢が必要だろう。今回、咲坂たちはそのあたりを上手くやっていたように思う。

 

まあ、いっそのことナース全員がそのまま病院を辞めてしまっても良かった気がしないでもないけれど。