***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
第4話は、顧問先のひとつである靴の製造会社の会長と社長が、経営権を巡ってお家騒動をはじめてしまった。神宮寺所長と社長の父親にあたる会長とは30年来の付き合いだという。しかし咲坂は現社長の味方をする立場である。果たして、二者の争いの行方は……などの展開。
ニュースに関心がある人間なら誰もが思っただろうが、某大塚家具における骨肉の争いを劇画化したようなエピソードだった。
経営者一族が経営方針を巡って会社ぐるみでする親子喧嘩、それが俗に言う「お家騒動」なわけだが、これほど社会的な損失の多い無駄な争いはないと思う。
咲坂も述べていたが、会社のトップ同士の人間関係がうまくいかないしわ寄せを必死に働いている従業員たちにぶつけるのはやめてもらいたい。従業員的には会社が安定していれば万事OKなのであって、誰が経営者だろうと方針がどうだろうと極論すればどうでもいい。ケンカするならバカ広い敷地面積を持つであろう実家の裏庭にリングでも作って好きなだけシバキ合ってくれればいい。いい大人なんだから、社会人なんだから、まったく無関係の人間を大勢巻き込むようなケンカの仕方だけは控えてもらいたいものである。
その点、今回のエピソードは咲坂が良い仕事をしてくれた。結局は現社長である実の子から経営権を取り上げようとしていた会長を説得するかたちで話をまとめた。今回はいつものようなノープラン作戦というわけではなく、あらかじめこの展開になることを予期していたらしい。
というのも、咲坂と夏目の二人がどうしてうまくいかなかったのかということを後悔しているのが大きかったのだろう。身内で争うなんて、極力避けたいものである。
態度がLLサイズな咲坂の助手・熱海は今週も絶好調に空気が読めなかったし、パラリーガルの九十九もいつにも増して卑屈で、夏目の助手である赤星にいたっては演じている俳優さんが山崎育三郎氏であるせいか、「明るいストーカー砂清水」を思い出してしまうような空回りっぷりで大いに笑わせてもらった。このようにちょいちょい笑いのネタをぶっこんで来るのもこのドラマのおもしろい点であろう。
来週もまた楽しみにしておこう。