悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

ヒガンバナ 第1話

録画しておいたものを鑑賞いたしましたので、記録したいと思います。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

●概要

 「シンクロしました、私」
 事件関係者にシンクロ(同調)する特殊能力を持った女刑事・来宮渚が “事件現場に残る声”をもとに難事件を解決!

 女性犯罪者および女性被害者対策を目的に設置された女性だけの非公式の課「警視庁捜査七課」
 美しくもその根に猛毒を持つ花“ヒガンバナ”と揶揄されている
外見は美しいが一癖も二癖もある個性的な女たちが毎回、華麗に難事件を解決!

 

本音丸出し、毒っ気たっぷりのオンナ刑事が集まるヒガンバナ
                      VS
男社会の象徴・警視庁一プライドの高い捜査一課の男性刑事たち

お互いが競い合い、事件に挑む!

 

 

●感想

2014年秋に放送されたスペシャルドラマが連続ドラマ化した作品。

いつかは連続ドラマになるとは思っていたが、意外と初放送から年数が経っていることに驚いた。「怪盗山猫」の件もそうだが、寄る年波には勝てないのかもしれない。

 

本作はドラマオリジナルの脚本とのこと。

主演は掘北真希 氏。

最近、日本テレビの作品ばかりを見ているような気もするが、深い意味はない。けっして日本テレビの回し者などではないので、勘違いなさいませんようお願いしたい。(なんとことを書くと余計に怪しく見えるから不思議だ)

 

 

主人公である来宮渚(キノミヤナギサ)は、警視庁捜査七課に所属する刑事。異常に高い共感能力を持つが故に、他人の考えていることが心の声として聞こえてきてしまう。声は自分の意思とは無関係に聞こえてきてしまうため、普段はヘッドフォンをして声をかき消している。

また彼女は、その場にいる人間の心の声だけではなく、事件現場の残留思念をも聞き取れる。ただし、聞き取れる声が被害者のものなのか犯人のものなのかはわからないうえ、余りに強い思念を聞き取ってしまうと心に負荷がかかりすぎて気絶してしまうという欠点もある。望まず手に入れたこれらの能力を駆使して、来宮刑事は事件解決へと奔走する。

 

 

第一話は、東京オリンピックの視察団が乗った船に爆弾を仕掛けたというネット上の書き込みと、船の停留場所のすぐ近くで起きた女性の転落死事件の二つの謎を追うというものだった。

 

ヒガンバナ」とあだ名される捜査七課員たちは、それぞれが一芸秀でた優秀な女刑事たちである。捜査一課の峰岸刑事(壇れい)が持ち込んだ捜査資料を一読しただけで、上記の二つの事件が関連している可能性があることを突き止めた。それができるのは、プロファイラーに検死官に科捜研のホープにと、捜査七課だけで必要な職種が一通りそろっているからである。

 

中でも極めつけなのが他人の心の声が聞こえてしまうという来宮刑事だ。峰岸刑事は半ば強制的に来宮刑事とバディを組まされてしまい、不承不承で女性の転落死事件を捜査する。確かに、いきなり他人の心の声が聞こえるなどと言われても信じられるはずもない。それに加えて来宮刑事のつっけんどんな応対である。まさしく凸凹なコンビだが、本当に上手くやっていけるのか心配になる。

 

捜査一課は爆弾テロ事件の捜査を行い、早々に容疑者を確保した。捜査七課の推理が正しければ、その人物こそが女性の転落死事件の犯人のはず。しかし容疑者には女性の死亡時刻に各個たるアリバイがあった。捜査は振り出しに戻ってしまう。

 

 

本作のホームページに「ヒガンバナ」VS「捜査一課」のような文面があがっていたが、どちらかというと敵対心をむき出しにしているのは捜査一課側だけで、捜査七課(ヒガンバナ)の女性刑事たちは歯牙にもかけないといった様相である。

この手のキャリアウーマンものとでも言うべき女性の活躍劇だと、たいてい男側がプライドの高い不様な人間であることが多く、それに関しては少々歯がゆい気分になる。いくら女性の活躍が気に食わないからといって、あそこまで露骨な態度を示せるのはある意味で大物といえるが、そんな人間が現実にいるのだろうか。

なぜか来宮刑事に目をかけるフリージャーナリスト菊池(DAIGO)のチャラさといい、この世界の男どもの精神構造が心配になってしまう。

 

 

今回の犯人は、同時に複数の嫌疑が掛かっている場合、ひとつでも嫌疑が晴れれば残りの嫌疑も晴れるという思考の罠を悪用した。たとえば、連続殺人において1回でもアリバイが成立すると、他の殺人もやっていないかのように思えてしまう、というケースである。

 

こういった場合、単純に犯人が複数であれば問題ないのだが、一度事件を関連付けてしまうとこの単純な結論を見落としてしまいがちになる。冷静に女性転落死事件だけを追っていた来宮刑事のお手柄である。

 

妊婦が飲むには危険なハーブティーなるものが存在するとは知らなかった。空中の「へぇボタン」を押しながら、大変良い勉強になったと唸り声を上げさせてもらった。

 

事件ものを見る楽しさの一つは、こういった未知の情報をさらっと教えてくれるところだと思っている。

 

さて、来週はどのような展開になるのだろうか。

今後の展開に期待である。