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悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

名探偵モンク

ドラマ 洋画

苦節十余年、ついに全8シーズンを視聴いたしました。この素晴らしきドラマの布教に一役買うべく、足りない筆力を総動員して記事に残したいと思います。

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

●概要

サンフランシスコ警察の元刑事エイドリアン・モンク。変わり者ではあるが、鋭い観察力と抜群の記憶力、洞察力によって事件を解決に導く伝説の存在だった。しかし、最愛の妻トゥルーディが殺害された事件のショックで、潔癖症、高所恐怖症ほか強迫神経症が日常生活に支障を生じるほどに悪化。現在はカウンセラーのアドバイスに従い専任看護師シャローナのサポートのもと、犯罪コンサルタントとして活動しながら復職を目指している。

そんな中、市長選に絡む事件を見事に解決したモンクは市長からの絶大な信頼を得ることに成功。モンクの元上司リーランド警部は、渋い顔をしながらも難事件が起こるたびにモンクに捜査を依頼するようになる。数々の変わったクセやおかしな行動を取るモンクに戸惑うディッシャー警部補ほか周囲の人々の心配をよそに、事件解決に天才的な能力を発揮していくモンク。妻の死を乗り越え、強迫観念症を克服して刑事に復職できる日はやってくるのか……?

 

MONK/名探偵モンク

 

名探偵モンク - Wikipedia

 

 

 

●感想

名探偵モンク」は2002年から2009年にかけてアメリカで放送されたテレビドラマである。

 

主演はトニー・シャルーブ。日本語吹き替えは角野卓造氏が熱演してくれている。

 

エイドリアン・モンクは数え切れない精神障害を抱える元刑事である。かつて最愛の妻・トゥルーディを何者かに殺害されたことをきっかけに、強迫観念症などの症状が劇的に悪化し、休職せざるを得なくなった。

その後、看護師であるシャローナやカウンセラーのクローガー先生らの助けにより、私立探偵として復帰。元上司であるリーランドや、その部下ディッシャーからの協力依頼を受けて事件を捜査する犯罪コンサルタントとして活動することになる。

 

このドラマの看板キャラクターであるモンクについてまずは語らせてもらいたい。

 

端的に言って、モンクは異常な人物である。

目に付く突起にはすべて触れなければ気が済まない。物の形は真四角や正円でなければ気が済まない。ある限られた種類の水しか飲まない。(生きている)人の裸を見ることも見られることもできない。極度の潔癖症で他人と触れ合うことを嫌がり、触れられると相手が目の前にいようともすぐに濡れティッシュで拭き取る。自然が嫌い。機械も嫌い。ユーモアに疎く、その場の雰囲気を読めずに失言を繰り返す。こだわり症すぎて相手を呆れされることもしばしば。

 

しかも、彼の奇行を訝しがる相手には決まってこう言う。

「あとできっと感謝しますよ」

 

こんなふうに書き連ねると、魅力もクソも何もないダメ人間にしか見えないが、そんなことはまったくない。確かにモンクは人としての器が小さく、ケチで怖がりなダメ人間という一面……というか多面はある。

 

それでもこのモンクという男、常人にはないずば抜けた観察眼と直感を兼ね備えている。誰もが見逃してしまうような些細な手がかりから事件の全体像を瞬時に推理してしまうのである。

 

このドラマは「ミステリー・コメディ」と銘打ってあるだけあって、単なるミステリーには終わらない。このモンクというダメ人間がしでかす騒動を面白おかしく見守りつつ、彼が導き出す事件の真相に嘆息するというのが本作の魅力である。

 

また、こんなアレな人物であっても、彼の妻に対する愛情は本物である。

モンクは子どもの頃から異常な性質の持ち主だったため、友達付き合いもまったくなく、誰からも変人扱いされてきた。そんな中、大学時代に知り合ったトゥルーディという女性だけはモンクの不完全さも含めて包み込むような愛情を与えてくれた。彼女の存在により、刑事時代のモンクはほとんどの精神疾患を抑えることができていたというのだから、トゥルーディの存在がいかに大きかったかということがうかがい知れるだろう。

 

そのトゥルーディを何者かに殺害され、奪われた。モンクは絶望に沈み、社会復帰できなくなるまで打ちのめされる。

しかし、彼には絶対に成し遂げなければならないことが残っていた。それは、妻を殺した真犯人を捕まえること。そのために、なにがあっても事件捜査から離れないことである。

 

シリーズ全体を通して、トゥルーディに関する話はちらほらと語られるが、彼女の死の真相が判明するのは最終シーズンの最終話(前後編)である。このドラマを見始めて少しでも興味を持ったのなら、どれだけ時間がかかってもいいから最終話まで見ることをお勧めする。決して後悔しない、すばらしい結末をお約束できるだろう。

 

 

 

つぎに、ドラマを彩るメインキャラクターたちについて少々。

 

まずはモンクのアシスタントについて。モンクのアシスタントは2人おり、ドラマの途中で交代する。

第1シーズンから第3シーズンの途中まではシャローナ、そのあとから最終シーズンまではナタリーという女性がモンクを公私共にサポートしてくれる。

 

シャローナは元ヤンの看護師であるため、モンクのダメなところにはズバズバと口を出して彼を引っ張っていく姉御肌タイプの女性。

一方でナタリーは疎遠とはいえ裕福な一族で育ち、海軍のパイロットだった夫を亡くしたシングルマザーであり、何だかんだでモンクのわがままを受け入れてしまう陰日向タイプの女性。

シャローナには息子が、ナタリーには娘がいるなど、何かと対になっていることが多いのも特徴である。

 

まったく異なるタイプの女性たちの助力によって、モンクは探偵としての職務を全うしている。モンクは車の運転ができないうえ、ろくに物も触りたがらないから、捜査において彼女たちの助けが絶対不可欠なのである。

 

しかし、モンクの過剰ともいえる要求に業を煮やし、ケンカになることもしばしば。とはいえ、その都度仲直りしてタッグを組んでいくのだから、仕事における良きパートナーだったと言える。

 

 

 

お次は警察関係者、モンクの元上司であるリーランド刑事とディッシャー刑事の二人。

 

リーランド刑事とモンクは十数年来の付き合いであり、警察時代におけるパートナーである。頑固で厳格な人物で、まさしくザ・警察官といったところだろう。ただ私生活はあまりうまくいっておらず、シーズンの途中で妻と離婚してしまったり、再婚を考えていた女性が殺人犯だったりと、踏んだり蹴ったりなことも。モンクの脅迫観念症については一定の理解を示してはいるものの、限度をすぎるとぶち切れることも多かった。彼の部下にあたるディッシャー刑事がモンクとは違った種類のお間抜けキャラのため、彼らの子守をする年長者としての役割も多かった気がする。

 

ディッシャー刑事は一応、出世頭のエリートということになっているのだが、とにかく天然の入った言動でリーランド刑事を困らせることが多かった。正義感に溢れ、年少者には特に優しい好人物なのに、独特の感性と素っ頓狂な発言ですべてを台無しにしてしまう残念な人物である。リーランド刑事がいないときは彼が現場指揮をとるなど、周りの人物からは呆れられながらも一定の信頼は得ている模様。彼もまた、「名探偵モンク」には欠かせない人物の一人だ。

 

 

さて、ここまで不必要なまでに冗長に語ってしまったが、とにかくこのドラマは絶賛おススメできる。視聴方法は何でもいいから、とにかく騙されたと思って一人でも多くの方々に見てもらいたい。

 

角野卓造さんによるすっとぼけた演技が実に巧妙で、これもまた本作の魅力の一つだろう。

 

一人でも多くの人々が、角野氏の扮するモンクの口上を聞いてくれることを望む次第である。

 

曰く、「経緯はこうだ」、と。

 

 

 

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