***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
・第4章
毎度恒例、章の幕開けと同時にプレイヤーにネタ晴らし的シーンが示された。
今回は、「数日前」という但し書きがあったうえで、コロシアイ参加者のうちの1人に向けて作られたビデオレターが流された。
誰に向けて作られたのかは未だ不明だが、そのビデオに映っていたのがなんと、1章で非業の死を遂げた天海だったのである。
やはり彼はただのいち登場人物ではなかったのだろう。このコロシアイについても事情を知っているような口ぶりだったことだし。
ビデオの彼が言うには、このコロシアイは「最後の2人」になるまで続けられるらしい。そして、この「2人」という数には特別な意味があるのだという。
しかも天海が言うには、このビデオを見ているであろう人物こそが今回のコロシアイを「望んだ」ようであり、参加者の誰かがその人物の「正体」を知って狙ってくる恐れがあるらしい。
もう、何がなにやら。
確かに参加者の中で一際怪しさを放っているにも係わらず飄々と生き残っている外道もいるけれど。まさかアイツあてのビデオレターだったのだろうか……
それにしても、今回の事件はこれまでダンガンロンパで描かれていた事件のどれとも違う、滅茶苦茶に胸糞悪いものだった。
前章の事件でもそうだったが、もはや誰かを殺して卒業するという権利自体がないがしろにされているふしがある。今回の犯人の動機は、みんなに推理を誤らせて犯人以外の全員を皆殺しにすることだったのである。
これだけ聞くと1にも2にも似たような事件があったように思えるが、その内実はまったく異なる。
なんと今回の犯人は、自分の意思で事件を起こしたというより、参加者の一人の入れ知恵に惑わされて泣く泣く殺人を犯したのである。
犯人と、犯人を操っていた外道は他の参加者たちよりも一歩先に、外の世界の真実を知ってしまった。もしも最原たちがその真実を知ってしまったら、犯人と同じように『絶望』しかねない。
才囚学園はコロシアイの耐えない地獄。でも、卒業して外の世界に出られても別の地獄が待っている。
それならいっそ、何も知らないままみんなを楽にしてあげたほうがいい。
極限状態で歪んでしまったとはいえ、そこには確かに犯人の優しさがあった。
あの調子だと、仮に裁判が間違った結論に達して犯人だけが生き残ったとしても、その犯人はすぐさま自殺していた可能性が高い。なんとやるせないことだろう。
それにしても、この犯人を操っていたクソ外道のほうが大問題である。
この人物、これまでの裁判でも罵詈雑言をまき散らして参加者たちから総スカンを食らっていたわけだが、今回はその酷さに拍車がかかっていた。
しかも、物語序盤で獄原が中庭で見つけた「落書き」の全文がついにあきらかになり、そこにその人物の名前が記されていたこともわかった。
「このせかいは○○○○のもの」
いったいこれはどういうことなのか。
コロシアイと裁判を端から眺めて愉しみ、そのためならモノクマとさえ手を組むことを厭わない。アイツの正体はいったい何者なのか。
第5章が気になってしかたがない。