悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

大逆転裁判2 その4

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

世間が台風で大混乱の中、一人ぽつりとゲームをして時間を潰す幸福。

 

ある日、龍ノ介と寿沙都の元にやってきたジーナが驚くべき事件を口にする。二人がこれまで幾度となく係わってきたグレグソン刑事が町外れのアパートで殺害されたのだという。しかも、その被告人として逮捕されたのはあのバンジークス検事である。龍ノ介はバンジークス検事の弁護を引き受けたいと願うものの、当の本人から拒絶されてしまう。そんな中、事件を担当する検事が決まったという。それは、龍ノ介の親友であり、死の淵から蘇った亜双義一真だった……という筋。

 

いよいよ話も大詰めに近づいてきているらしい。

 

第3章にて明かされた、大英帝国史に残る殺人事件「プロフェッサー事件」。

 

その犯人として逮捕され、処刑されたのは亜双義の父親だった。

 

しかし実際には彼の処刑は執行されず、刑務所や監察医を巻き込んでの大々的な脱獄が実行に移された。

 

それにも係わらず、亜双義の父親は脱獄直後に何者かによって殺害された。

 

過去の事件を調べるため、亜双義は司法留学生に選ばれ、大英帝国に渡ろうとした。その途中で事件に巻き込まれ、一時は死んだものと扱われていたが、記憶を失ってでも執念によって単身大英帝国にたどり着いたのだという。

 

真実を知りたいという欲求と、バンジークス卿に対する深い憎しみ。それらが亜双義を強烈に動かす原動力になっていたのだろう。

 

それにしても、あのグレグソン刑事が殺害される展開は予想していなかった。

 

正直、これまでの話のなかであの刑事がバンジークス検事が裁ききれなかった悪人を秘密裏に消している「死神」の正体なのでは、と思うことは何度かあった。

 

その予想があたっていたことを驚くと同時に、殺害の実行犯が前作第一章の犯人だった英国人の女性だったことも衝撃的である。

 

第4章は探偵パートで終わるという、過去のシリーズでも類を見ない幕の引き方をした。

 

次の第5章で最終章ということだが、はたしてこの広げすぎた風呂敷をどう畳んで見せてくれるのか、楽しみである。

 

……それにしても、まさかホームズの助手として実際に行動を共にしていたのが寿沙都の父親だったとは。いたるところでオリジナリティを出してくれるものである。