悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

大逆転裁判2 その3

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

のろのろ進行のすえにようやく3章をクリアした次第。

 

全世界から何千万人という観光客が訪れる一大イベント、「英国万博」。万博の催しの一つ、近代科学による研究成果を発表する場で事件は起きた。実験の出資者でもある被害者が死に、その遺体がイベント会場から離れた場所へと「瞬間移動」してしまったのである。しかもその実験を発表した科学者はバンジークス検事の旧友なのだという。事件はただの事故だったのか、それとも何者かによる殺人なのか。そもそも実験は本当に成功したのか。警察や検察、国家の思惑も絡む大事件に、龍ノ介は巻き込まれていく……といった筋。

 

各章の冒頭にて「シャーロックホームズの冒険」の一節風な音声付のモノローグが入るのは前作から同様だったが、今作では物語の重要な場面にて音声が入ることがたびたびあった。

 

第3章の冒頭での実験風景も音声入りで展開された。

声優に詳しくない諸氏であっても、この声を聞き間違えることはないだろう。いわゆる「バーロー」の人(高校生の方)である。

 

いかにも胡散臭い科学者というのが今回の被告人だったわけで、正直定期的にイライラさせられた。なんというか、根拠のない自信を持っている人というのはどうにも人を不快にさせる要素を持っているのだろう。本人に悪気はないのだろうが……

 

それはともかく、今回の章は本当にいろいろな進展があって驚かされた。

 

寿沙都が日本から大英帝国に戻ってきたこと。

 

前作の被告人でも合ったジーナ・レストレードがグレグソン刑事の推薦によって刑事見習いに転進していたこと。

 

バンジークス卿が日本人を憎む理由に、日本人が引き起こした事件が絡んでいたということ。

 

そしてなにより、前作で死んだと思われていた龍ノ介の親友・亜双義一真生きていたことなどなど。

 

もうこれでもか、というほどいろいろな情報を詰め込んでいたという印象である。

 

そのせいで、事件自体の色合いはだいぶ薄らいでしまった感もあった。

 

現代を生きる我々にとって、瞬間移動術なるものはまだ実現不可能だということは常識である。だからこそ、今回の事件に何らかのトリックが使われているということは自明といえる。

 

そこをもうちょっと膨らませても良かった気もするが、裁判の途中から今回の事件のことよりも、バンジークス卿に関わりがある過去の事件の方に重きが置かれてしまったのがやや残念ではあった。

 

事件の真相としては驚かされたものの、ちょっと唐突な感もあったし。てっきり今後の物語の鍵を握る準レギュラーだと思っていた人物が殺人の真犯人だったとは、驚きを通り越して唖然である。

 

うーむ、4章ではいよいよ、かつて大英帝国を震撼させたという「プロフェッサー事件」とやらの謎を解くことになるのだろうか。

 

シャーロック・ホームズが出てきて「プロフェッサー」とくれば、当然モリアーティ「教授」だと思ったのに、その「プロフェッサー」は日本人だったというし。

 

生きていた亜双義のいう「使命」とやらも、この「プロフェッサー事件」に何か関係があるようだし、とにかく伏線が張りまくられていて先が気になって仕方がない。

 

次はいつ、このブログに戻ってこれるのやら……