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悪意ある善人による回顧録

レビューサイトの皮を被り損ねた雑記ブログ

マイ・インターン

映画 洋画

 

***注意はじめ***

以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

●概要

大ヒット作『プラダを着た悪魔』で、恋に仕事に奮闘しながらファッション業界でキャリアアップしていく主人公を演じ、世界中の女性から熱い共感を集めたアン・ハサウェイ。あれから9年、最新作でアンが演じるのは、NYのファッションサイトの社長。まるで『プラダ~』の主人公のその後のような、全てを手に入れた彼女の新たな出会いと試練を描く話題作がやって来た!

 

仕事もプライベートにも人生最大に試練が─ 救ってくれたのは、70歳の“新人”?

 

華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ。そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の“豊かな人生経験”が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、彼の“シンプルな生き方”はジュールズを変えていくー。そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!

 

 

 

 

●感想

2015年に公開されたアメリカの映画。

主演はロバート・デ・ニーロアン・ハサウェイの2名とのことだが、主にロバート・デ・ニーロの視点で物語は進行していく。

 

物語はロバート・デ・ニーロ扮する主人公の一人、ベンが何者かに身の上話をしているシーンから始まる。

 

定年退職するまで電話帳を印刷する会社で働いていたベン。数年前に妻とは死に別れ、いまは気ままな隠居生活を送っていた。しかし、仕事をやめてからと言うもの生活に張りがなくなってしまい、どこか満たされない日々が続いていた。

 

そんなときベンは町中の広告を目にする。とあるインターネット通販専門のアパレル企業がシニア・インターンを募集しているという。冒頭におけるベンの語りは誰か特定の人に話しかけていたのではなく、そのインターンに応募するためのビデオメッセージを撮影していたのである。

 

無事にインターンとして会社に入ることができたベンだが、ここでひとつ問題が発生する。それは、会社の社長にして直属の上司にあたるジュールズ(アン・ハサウェイ)が多忙すぎてまったく仕事を振ってくれないのである。

 

そもそもこの会社、ジュールズが1年半ほど前に立ち上げた新会社であり、ビジネスの波に乗って急成長を遂げたところだった。この勢いを止めたくなかったジュールズは1日中休む間もなく働き続けていたのである。そのため、同僚の提案を聞き流す形で了承してしまったシニア・インターン制度について快く思っておらず、あわよくばベンを他所の部署に送ってしまいたいとさえ思っていた。

 

しかし、ベンはかつて広報やマーケティングの部署に40年近くも勤めていたベテランの会社員である。仕事は頼まれずとも自分で取ってきてしまう。あれよあれよと言う間に会社内での評判をあげて、ようやくベンはジュールズの視界に入ることになる。

 

映画の前半はだいたいこのような調子で進んで行く。会社を構成するのが20~30代の若年層が中心にもかかわらず、ベンのような高齢者が混ざっていくには相当の体力が必要だと思われるのに、ベンは果敢に職務へと当たっていく。それもよくある「お仕事もの」の話に留まらず、ベンの年の功を活かした気遣いが所々に散見され、社会人とは斯くあるべきといったお手本にすらなりそうな勢いである。

 

中だるみが心配だった中盤にはジュールズによるメール誤配信を巡るトラブルを解決させようとコメディ色満点で場を盛り上げ、映画後半ではキャリアウーマン特有の家庭の悩みをつぶさに描ききった。

 

見るものを飽きさせない、すばらしい映画だった。

下手に恋愛色を入れず、仕事に打ち込みつつも私生活に悩む人たちというところに焦点をあてたことは有意義だったように思う。

 

 

 

 

 

ただ個人的な価値観で言わせてもらうならば、仕事を優先して生きたい人間は男女関わらず家族を持つべきではないと常々思っている。

 

人間の身体はひとつしかないうえ、時間だって限られている。その有限の資源を仕事に家庭にと割り振れば、必ず何処かに不足が出てしまい、それはのちに埋められない溝になってしまう。その家庭が夫婦2人きりならまだしも、もしも子どもがいたら、正直その子の将来は不安で仕方がない。バリバリのビジネスパーソンの夫婦に家庭の時間なんか満足に作れるはずがないし、親とのかかわりが希薄だった人間はほぼ確実に人格に欠陥を持った状態で社会に出てしまう。そんな子どもが大人になり、いずれ自分たちと肩を並べて働くことを考えるとぞっとする。いったいどんな悲劇が生まれるのか考えたくもない。

 

……まあ、こんなところで愚痴ったところでどうしようもないことなのだけれど。

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