***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
●概要
あらゆる分野の超一流の高校生を集め、育て上げるために設立された、政府公認の特権的な学園「私立希望ヶ峰学園」。
この学園には、超高校級の才能が集まる「本科」と、高い学費を払えば誰でも入れる「予備学科」が存在していた。
才能だけではなく、性格も個性的な本科77期生。
しかし彼らは才能のみに固執することなく、「人生に大切なことは、才能ではなく、人とのかかわりで人格を磨き、思い出を作ることである」ということを学び、それぞれ普通の高校生らしく学園生活を謳歌していく。
しかし、水面下では謎のプロジェクトの遂行、学園による学科差別が横行していた。
そして、才能を渇望した予備学科の少年・日向創。
彼に起こる運命的な出会いが、学園を、未来を予測もつかない方向へ導いてしまう。
これは、人類史上最大最悪の絶望的事件に至るまでの物語。
絶望で終わる、希望の物語。
「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」公式サイト
●感想
第1話「ただいま希望ヶ峰学園」
物語はダンガンロンパ1よりも小説版「ダンガンロンパゼロ」よりも前、「ダンガンロンパ2」の面々が入学してから2ヶ月後の時点からスタートする。
放送前の説明ではいかにも「2」の主人公だった日向創が主人公となる物語のように思われていたが、いざ絶望編が始まるとこれまたビックリ。なんと、主人公は未来編1話の終盤でお亡くなりになってしまった元超高校級の家政婦・雪染ちさだったのである。
絶望編は、現代では既に死んでしまった雪染が生きていたときに見聞きしたことを中心に、「人類史上最大最悪の絶望的事件」に至るまでの物語を展開していくのだという。
しかも驚いたことにこの雪染という女、日向を除く「2」のメンバーたち、希望ヶ峰学園の第77期生の副担任だったのだという。
おそらくダンガンロンパ3は、未来編で語られなかった謎の部分を絶望編で読み解くという流れになっているのだろう。だからこそ、同じ週の別の曜日に未来編→絶望編の順で放送するのだと予測する。もういろいろと驚きすぎて何から喋っていいのかもわからないほど混乱しているが、これは話の続きが非常に気になる物語の構成である。
それにしても、「2」のメンバーのうち狛枝以外がフルアニメーションで動く様子を見れるのは喜ばしいかぎりである。初っ端から陰惨な展開になっている未来編とは打って変わって絶望編はまるで学園コメディでも見ているような気分になる。
雪染は確か元帳高校級の家政婦という肩書きだったはずなのに、なぜにあんな忍者ばりにバイタリティに溢れているのか。主人公が黒幕という「ダンガンロンパゼロ」の前例もあるし、これも何らかの伏線のひとつなのだろうか。
また、原作を知っている人間なら当然に頭がこんがらがった描写があったのも絶望編の特徴である。
なぜか本作には、「2」の登場人物ではあるものの現実世界には存在しないはずの「七海千秋」が登場するのである。それも、予備学科生として燻っている日向と普通に会話をし、雪染ともやり取りしている。
このことから幾つかの予想が立てられるのだが、愚考ながら一応挙げておこう。
(1) 実は「未来編」は「2」同様にバーチャル世界でのやり取りであり、現実には生きている雪染が「2」の面々を「希望更生プログラム」にかけて過去を覘き見ているのが「絶望編」の物語である。
(2) 七海千秋は第77期生として実在した女生徒であり、何らかの原因によって死亡ないし絶望状態に陥らなかったため、実在の彼女をモデルに作られた人工知能プログラムが「2」の七海千秋である。
まあ、根拠の乏しいほとんど妄想に近い推測だが、とにもかくも今後の話を早く視聴したいものである。いったいいつまでコメディタッチの物語が続くのか見ものである。