***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
・第2章
衝撃的な主人公交代劇から1夜。
超高校級の探偵・最原終一は『彼女』から託された希望を胸に、前を向くことを決意する。
その一環として、最原はトレードマークだった野球帽を脱ぎ捨てた。
まさか、あの野球帽がシリーズ主人公のみに許される「あほ毛」を隠すための装置だったとは……これは、最原女性説は完全に否定されたと見るべきなのか……?
すったもんだあって日常編をこなしていくと、段々と登場人物たちの性格もわかってきた。
肩書きの胡散臭さもさることながら、状況を引っ掻き回して楽しんでいる王馬。
自分には生きる目的などないとクールに吐き捨てる星。
コロシアイの重圧に耐え切れず現実逃避する夢野。
そんな夢野を宗教に引き込んで洗脳する夜長。
そして、根拠のない自信とタフネスで最原を引っ張っていく宇宙バカ・百田。
いろいろな人物たちの掛け合いをそれなりに楽しんでいたら、またしても事件が起きてしまう。
それも、あんな残酷な死に方をする事件が起きるとは……遺体をピラニアに食わせて証拠隠滅って、すさまじい徹底振りであった。
それにしても、今回の事件の犯人のことを考えると、物語の設定でもある「ギフテッド制度」の強大さがうかがい知れる。
まさか、一国の総理大臣ともあろう者が一人の高校生に全権委任していたとは。
乱れに乱れまくった国を正すためには、犯人の力が必要ということで苦渋の決断だったのだろうけれど……いったい、日本に何が起こっているというのか。
まさか、旧作における「人類史上最大最悪の絶望的事件」のように、狂った一人のテロリストがきっかけとなって世界規模の恐慌が起きているわけではなかろう。
そうなると、最原たちが閉じ込められている場所はいったいどこなんだという話になるし。
2章のなかで何度か、最原が過去の記憶を唐突に思い出すシーンがあったのも印象深い。
そのなかで最原は、
「僕は、生きたくなんてない。みんなと一緒に死にたいです」
と呟いているのである。
「みんな」って誰のことなのか。才囚学園に閉じ込められた高校生たちのことなのか。
それとも、今回の犯人のように国民「みんな」のことを指しているのか。
それになにより、記憶を失う前の最原はどうして「死にたい」なんて言っていたのか。
何もかもが謎である。
うーむ、今回の章でまたしても予想だにもしない被害者・犯人が出てしまったため、また「絆」を深めるために自由行動をやり直さなければならない。
面倒くさいが、仕方がないのか……