録画したものを鑑賞いたしました。
***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。
また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。
当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。
***注意おわり***
第9話は、美蘭の母・静香(和久井映見)が家出してしまった。机には離婚届が残されており、保たちは結婚どころの騒ぎではなくなってしまう。一方で紀一郎は副社長に擦り付けられた失敗を挽回するべく奔走していて家庭のことなど目に入らない様子で……などの展開だった。
今回の話で本作は最終回ということで、だいぶ寂しい思いがした。まさか打ち切られたわけではないと信じたいが、最終話の構成が足早な感があったことだけは記しておきたい。
本作は、娘の彼氏と父親が同じ年齢だったことによる喜劇であると、感想の始めに記した気がする。それこそが最大の特徴であり、他のドラマにはない特異な設定であったはず。
しかしながら蓋を開けてみると、保と美蘭の歳の差カップルの仲を描くラブコメディというより、問題を抱えていた家庭に第三者が介入することで家庭が健全化していく流れを描いたホームドラマに近い内容だった。もちろんそれが悪いと言っているわけではない。今作は充分すぎるほどおもしろい内容だった。そもそも、保と美蘭は第一話の時点で互いに結婚を決意するほどのラブラブな関係であり、これ以上二人の仲を描写しようとしたところで既に完成されたカップルといった様相だったから、ホームドラマ路線にしたのは間違っていないと思う。
ただし、ドラマの本筋が上記であげたようなホームドラマ路線の話であるなら、そもそも「娘の彼氏と父親が同じ年齢」という設定はあってもなくてもよかったということになり、すると本作の魅力の前提から覆ってしまう恐れもあるわけで……
いや、よそう。何を評論家気取りで文句を垂れているんだこの愚か者は。
素直におもしろかったと言えばすむ話である。
うん、おもしろかった!
気を取り直して最終話の感想に移りたいと思う。
紀一郎の妻・静香は、仕事にかまけてばかりで自分のことを顧みない夫に愛想がつきかけていた。そこにきて昔の恋人が離婚したことで、静香にアプローチを仕掛けてきたのである。
静香は多少なりとも揺れていたが、そこに保や美蘭のアシストがあって、無事に紀一郎と仲直りすることができた。最終話の4分の3はこのような流れになっていた。
これは本当なら1話まるまる使ってもいい題材だと思うのだが、若干尺が短かった気がしないでもない。
この流れが終わったあと、ぎこちなかった花澤家がまともになったことを受けて、ようやく紀一郎は保を美蘭の夫となる男として認めてくれた。ようやくここまで漕ぎつけたかというところで物語はエンディングロールへと移行する。
そこで意外というか唐突な展開だったのが、「とにかく明るいストーカー」として有名になりつつある砂清水氏が保の部下と結婚をするというものである。
美蘭もこぼしていたが、そこでどうして保と美蘭の結婚式じゃないんだと盛大にツッコミを入れさせてもらった。
結局、紀一郎は左遷を免れることができず出向させられてしまい、いずれ本社に復帰するという新たな野望に火をつけてしまった。その反動で保を認めたことを撤回すると言い出す始末である。これだと保が紀一郎をお義父さんと呼べる日はまだまだ先のことのようである。
さて、全9話、楽しく見させてもらった。惜しむらくは話が短すぎることと、保と紀一郎の不毛な争いをもっと見たかったことくらいか。
DVD化もするようだし、それなりに人気があったのだと思うとほっとした気分である。