悪意ある善人による回顧録

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カルタグラ~ツキ狂イノ病~《REBIRTH FHD SIZE EDITION》 その1

***注意はじめ***
以下の文面は言葉遣いに乱れが生じたり、ネタバレにあふれる虞があります。

また、本文は筆者である阿久井善人の独断と偏見に基づいて記されております。

当方が如何な感想を抱いたとしても、議題となっている作品の価値が貶められるはずもなく、読者の皆様のお考えを否定するものではないということを、ここに明記いたします。

***注意おわり***

 

この日が来ることをどれだけ心待ちにしていたことか。

 

考え始めてしまうと待ち遠しすぎて頭がおかしくなってしまいそうだったので、意識的に今日という日のことを忘れるよう努めていました。

 

それでも仕事終わりに荷物が届いていたのを確認したら、テンションはいきなり最高潮に跳ね上がったのだから自分も大概だなと呆れています。

 

本日2023年4月28日(金)、

カルタグラ~ツキ狂イノ病~《REBIRTH FHD SIZE EDITION》

堂々の発売です!!!

 

イノセントグレイのデビュー作にしてすべての始まりである「カルタグラ」が2005年4月28日に発売されてからちょうど18年後にリメイクされて発売される。

……これがどれほどめでたくて喜ばしいことか筆舌しがたいものがあります。

 

さっそく中身を検めたいのですが、今日明日は別件で予定が詰まっているため中途半端に手を付けるわけにはいきません。

 

クソろくでもない、無駄に長く続いた人生における重要な転換期を迎えるには、きちんと時間を取ってしっかりじっくりみっちりびっしりと向き合う準備が必要です。

 

なので本日は泣く泣くではありますが本作をプレイすること自体は諦めて、「カルタグラ FHDリメイク」の公式通販に合わせて頒布された小説についてネタバレにならない程度に語っておこうと思います。

 

 

『或る晴れた暑い日に』

⇒全87ページ、『天ノ少女』の後日談を3篇にわたる短編小説で記した冊子です。

こちらは2023年4月28日以降にイノセントグレイ公式通販サイトで一定価格以上の注文をしたときに特典として付属しているものですが、イノグレファンにとってはまさしく垂涎の一品と言えるでしょう。

 

(1)「昭和三十九年、或る晴れた暑い日に」

 『天ノ少女』の「Grand END」のあと、大切な旧友から手紙を受け取った紫が真崎と共に山梨へと出向いていくお話です。

 

 訪問先は真崎にとっても重要な意味を持つので、どちらかというと『虚ノ少女』の後日談といった位置づけになる物語と言えるでしょう。紫を視点として旧友やその家族との和やかな小旅行の様子が描かれています。

 

 あれだけの事件があったあとでも、生きている限り人生は続いていくもの。ようやく穏やかな生き方を手に入れた一家の様子や、紫と真崎のつかず離れずなやり取りを見守ってあげましょう。

 

 

(2)「昭和四十五年、或る晴れた暑い日に」

 『天ノ少女』の「True END」の前年に、私立櫻羽女学院 で起きた事件を描いたお話です。

 

 イノグレ過去作の遺伝子を受け継ぐ3人の女学生と、今や警部補となった佐東さんらのやり取りを見ることができます。

 ※殻ノ少女が昭和31年を舞台とした物語なので、佐東さんは単純計算でアラサーになっていることに。なかなか早めな昇進と思われるのでやはり優秀と言える。

 

 万が一、イノグレの過去作に触れずにいきなりこの小説を読んでしまえばちょっとしたミステリー小説で済ませてしまうかもしれませんが、『殻ノ少女』3部作をすべてプレイしたことがある人であれば明言されていない文章の端々から隠された意図を読み取ってニヤリとほほ笑むこと間違いなしです。

 

 

(3)「昭和四十五年、或る晴れた春の日に」

 『天ノ少女』の「True END」の直後を描いたお話ですが、ページ数はたったの2ページにすぎません。しかし、あまりにも重大な意味合いを持たせた2ページです。

 

 何故かというと、阿久井が本ブログにて2021年3月にしたためた『天ノ少女《PREMIUM EDITION》 その4』において述べていた疑問の答えそのものが描かれているからです。

 

 すべての因縁に決着をつけた探偵・時坂玲人は救われることができたのか。

 

 『殻ノ少女』シリーズに手を付けた方、興味がある方、なんとしてでもイノグレ公式通販でこの特典小説を入手してください。

 

 読めばきっとわかるはず。彼の未来がどう続いていくのか、是非とも思いをはせてください。

 

 ※ただちょっと気になるのは、玲人が『彼女』に対して「会った」ことを伝えた日は昭和46年3月4日のはずなので、3篇目の表題は1年ズレているのではないか、ということですが……

 

 

……さて、記事の表題は『カルタグラ~ツキ狂イノ病~《REBIRTH FHD SIZE EDITION》 その1』なのにほとんど『殻ノ少女』シリーズの話しかしていないタイトル詐欺になってしまいましたが、文句ならこんなとてつもない小説を「カルタグラ FHDリメイク」の発売に重ねて通販特典としてくっつけたイノグレ側に言ってやってくださいね。

 

――「いいぞ、もっとやれ!!!」って。

 

 

 

※※※ 2023/5/8 追記 ※※※

ちなみに、原作「カルタグラ」に関するネタバレ全開レビューも当ブログにて掲載しています。

いまからおよそ7年ほど前に17編にわたって書き散らした内容なので見返すとイロイロと恥ずかしさもあるのですが、ネタバレを踏んででもシナリオの全体像が知りたい、という方がいらっしゃればご高覧いただければと。

「カルタグラ ~ツキ狂イノ病~ (その1)」